TRIPLE SEVEN

ROOK3

Expanding your flying horizons

パフォーマンスと安全性の最適化を追求し
縫い目最小限のシンプルなデザインを採用。
ルーク3はあなたのスキルを最大限に引き出してくれる！

前モデルから大幅に進化

　アスペクト比こそ5.6と標準的なEN-Bクラスだが、薄く見える翼断面形とコンペ機並みの細いエアインテーク、セル数も多めでクリーンな翼表面など、同クラスのグライダーとは大分雰囲気が違う。見た目からして如何にも良く飛びそうでカッコいい。
　実際に飛んでみるとアスペクト比5.6のEN-Bクラスとは思えない滑空性能とフィーリングの良さに驚いた。このクラスではトップレベルの飛行性能と見て間違いないだろう。 　エアインテークはセンター部でも3
cm程の開口幅で指2本分程の幅しかなく、見るからに滑空性能を狙っていることが分かる。トリプルセブンで特徴的だったたくさんのバテンは、ルーク3では前縁部のみとなり、前モデルのルーク2からマイナス800g(Sサイズで4.6kg)と大幅に軽量化している。
　アスペクト比はルーク2から変わらず5.6を維持しているが、セル数は57から61に増え性能向上に貢献。カラーパターンも一新されているが、これは生地の縫い目を減らすことでエア漏れ量を減らしキャノピー内圧を高める効果を狙っているとのことだ。

進化は飛べばすぐに分かる

　Sサイズ（70-85kg）の上限85kgでテストフライト。テイクオフでの立ち上がり特性は、強めの風でもシュートすることなく穏やかに上がってくる。空中に出てみるとこのグライダーの素性の良さに驚いた。この日のコンディションは、少しハードな難しいコンディションだったが抜群の機動性を発揮し、まるで水を得た魚のように自由自在に楽しく飛び回ることができた。
　飛び始めてすぐに感じたのは、操作に対するレスポンスの良さだ。ルーク2の旋回性の良さは、ルーク3にも受け継がれている。ブレークは比較的軽めで、引き量に比例して操作荷重と旋回力が増す理想的な特性。バンクコントロールも自由自在、ハイバンクのセンタリング中に戻されそうになった時も内側のブレーキ操作で簡単にバンク角を維持できる。
　強いサーマルや気流の変化でも、ピッチアップやピッチダウンがほとんど発生せず、揺れの中の小さなリフトを効率良く高さに変えながら進んでいく感覚をこのグライダーからも感じることができた。サーマルの近くでは、コアに吸い寄せられるように適度に加速していき、好きなタイミングで即座に小さく回すことができる。

新しいライザーシステムもご機嫌！

　グライドに移ると、滑空性能の良さが更に際だつ。この日のコンディションでは正確な速度計測はできなかったが、周りのグライダーと比較する限りトリムスピードもトップスピードもこのクラスとしてはトップレベルだ。スピードだけでなく滑空比も素晴らしい。新しいB／Cコントロールライザーは、Bライザーの引かれる量が少なくなり、摩擦抵抗の少ない材質になったことと相まって操作感が大幅に向上した。効きも十分によく、中程度までの荒れ具合であれば適切にリアライザーをコントロールすることで、フルアクセルを維持したまま効率のよいグライドが可能だ。
　バテンの短くなったキャノピーも好印象、気流の乱れをキャノピーが上手く吸収しているかのような印象を受けた。周りのグライダーが大きく潰されている中でも、翼端が穏やかに折れるだけに留まり安心してコントロールができた。

多くの人にお勧めしたい操縦が楽しいグライダー

　EN-Bの安全性とアスペクト比5.6の安心感のまま、上級者をも満足させる性能とフライトフィーリングを併せ持っているので、グライダーコントロールを楽しみたい多くの人にお勧めできる。スタンダードEN-Bからのステップアップや、高性能も欲しいがパッシブセーフティーも必要な方、長時間クロカンを少ない負担で飛びたい方などには絶好の選択肢となるだろう。是非、スペックに惑わされず普段上のクラスに乗っている皆さんにも味わって頂きたいグライダーだ。このフィーリングの良さと安心感は病みつきになる！

（REPORT：Hiroaki KOBAYASHI）