ギア・インプレッション

TWIN4

SWING

TWIN4

タンデムグライダーに求められる全てを満たす、
これ以上ない最高の仕上がり!

ツイン4は、純粋にタンデムモデルとして、いちから設計・開発されており、この点が過去のモデルとは大きく異なっている。これまではアストラルやミストラルを発展させていた。一体どのようなタンデムモデルに仕上がっているのだろう?

デザインと構造

ツイン4は5.4というタンデム機としては高いアスペクトレシオをもっており、翼端が垂直なほどアーチをつけ、全高が低めのショートラインの構造となっている。
リーディングエッジにはフレックススティックと呼ばれるバテンが縫い込まれており、エアインテークは常にオープンされている。翼の性能向上に加え、軽量化にも効果を発揮するシステムだ。
Mサイズのライザーは38cmと、タンデム機としても非常に短い。Sサイズでは38cm、48cmと2段階にフックポイントを選ぶことができるようになっている。これはソロフライトもできるようにというアイデアだ。Aは翼端折りライザーに分割されており、その短さからスムースに翼端折りが行いやすくなっている。

フライトインプレッション

ライズアップはどちらのサイズともにイージー! 少し軽い感じで上がり、翼全体への空気の流入が速いようだ。
フライト中のトリム速度は39km/h程度。21cmの長いトリムテープには、等間隔に5段階のマーキングがされている。トリムはすべてを引き込んだ状態がノーマルで、荷重やコンディション、フライトスタイルに応じ、オープンしていくようになっている。
Mサイズの場合、130〜150?程度の荷重であれば一段階伸ばして2番目のポジションで飛ぶとスムースなスピード感を楽しめるセッティングとなり、150kg以上の荷重の場合はすべてを引き込んだポジションとすることで浮きのいいフライトが行える。
また、この幅広いトリマーにより、モーターでのフライトも最適な速度でストレスのないフライトを楽しむことができる。加えて、ピッチ安定はどのポジションでも大きく損なわれることはない。
ブレークコードの操作は効きが良く、短いストロークで翼の向きが変わってくれる。リッジソアリングやサーマルソアリングの範囲であれば、軽いものとなっている。ローリングやスパイラルなどのきつめのターンでは、少し重くなっていくものの、引き込んだ量に応じバンク角が遅れることなく変化し、そのストロークをフルに使うことができる。
そして、ランディングの容易さがツイン4の最大の特徴かもしれない。トリマーのポジションを気にするこなく行え、失速しにくく、フレアーはどの速度からもかかりやすい。安心して、ランディングのその瞬間を迎えることができる。フレアーの際のブレークコードは決して重すぎることはない。

サイズの選択

ツイン4は2種類のサイズが用意され、テイクオフウェイト110〜220kgを幅広くカバーしている。150kg程度までのフライトではSサイズはオールラウンドに使える。150kgを超えるフライトではMサイズをオススメしたい。
ツイン4はスイングらしい安定感と高性能をもった、スピーディーでプレッシャーなくフライトを楽しめるオールラウンドなタンデムグライダーだ。

(REPORT: Satoshi MEGURO)

SPEC INFORMATION

サイズ 110-190 140-220
セル数 49 49
翼面積(投影)㎡ 35.8 37.5
翼面積(実測)㎡ 42 43.9
スパン(投影)m 11.9 12.19
スパン(実測)m 15.1 15.4
アスペクト比(投影) 3.96 3.96
アスペクト比(実測) 5.4 5.4
最小沈下速度 m/s 1.05-1.15 1.05-1.15
最高速度 km/h 45-47 45-47
トリムスピード km/h 38-40 38-40
機体重量 kg 8.3 8.6
飛行重量 kg 110-190 140-220
安全規格(EN/LTF) B/B B/B
価格(税込) ¥619,500 ¥619,500

[製造元]SWING/ドイツ
[輸入・販売元]ヘリグライド(株)
[URL]http://www.heliglide.com/

2010年12月号掲載)