SWING

SPHERA RS

2-liner secured by RAST！

RASTを搭載した初の2ライナー登場。
2ライナーの純粋なパフォーマンスと
RASTの快適な飛行とコントロール。
新しい驚きのフライト体験を!

世界初RAST（ラスト）搭載の2ライナーモデル

　スイングから2012年のコア3以来10年ぶりに2ライナー機スフィアーRSがリリースされた。
　スフィアーRSは2ライナーとスイングの特許取得済安全技術『ラスト』のそれぞれのメリットを融合することで、高性能に高い安全性を実現。気流の影響を受けやすいハイアスペクトモデルが、潰れに対して強いとなればパイロットにとって不安が減り、心強いものとなる。翼面積は4サイズあり、75-120kgをカバーしている。

構造、マテリアルとデザイン

　捩れ・湿度・温度の影響を受けない形状記憶合金ニチノールで、このクラスとしては小さすぎないエアインテークはシャークノーズを取り入れリーディングエッジが形成されている。そしてニチノールは、翼の上下面にコード方向にも長く配置されている。
　翼面はスカイテックス38とテクテックス38と32を組み合わせ、ラインは"プロドライ"コーティングが施された最新のアラミドラインを採用している。このラインは被覆がないが、レッド・ブルー・オレンジと色分けされラインチェックしやすく、撥水防塵処理がされている。この加工により60%もの水分吸収が抑えられ、ほこりがつきにくくなるため、ライン長が長期にわたって短くなってしまうなど変化しにくいものとなっている。

テイクオフとフライト特性

　ハイアスペクトな2ライナーモデルでは中央寄りの2本のAラインをつまむようにしてライズアップすると、リーディングエッジがリードされて立ち上がりやすくなるのだが、このスフィアーRSではその心配がない。
　ハイアスペクトであるため、頭上に上がってくるまでの翼の捩れは気にすることは必要だが、自分の経験の中で最も立ち上げしやすい2ライナーモデルであった。
　テイクオフすると、翼はソリッド感に溢れている。翼全体が堅く、翼端までがっしりとしている。トリム速度は41km/h（SMサイズ・テイクオフウェイト98kg）を示し、フルアクセルでは61km/hに達する！
　操作に正確に応答し、15cm程度のインプットでバンクがかかり、センタリングへ移行できる。

サーマリング／アクセル

　サーマルに入ると翼は積極的にコアに引き寄せるように動き、オーバーシュートする動きが少なく、外翼のピッチコントロールも（2ライナーモデルとしては）さほど忙しさを感じない。
　また、サーマルを翼全体でキャッチする感覚があり、上昇力はパワフルだ。
　アクセルストロークは18cmあり、グライディングでは50-100%アクセルを踏み込むことで、効率的にサーマルを乗り継いでいくことができる。
　すべての速度域でのポーラーカーブはフラットで、フルアクセルでも高度ロスは少なく、しかも安定している。
　フライト中、気流により不意に潰されたことは全くなかった。フルアクセルでも、翼端までがっしりとしていて不安なくフライトに集中できる。フルスパイラル、ウイングオーバーやタイトなターンなど機敏な操作にも、翼は正確に応え、その時も翼端まで、がっちりとした感覚は変わらない。

緊急降下

・スパイラル　旋回内側のブレークコードを引きこむと、苦労することなく導入できる。その際も、外翼の動きは変わることなくがっちりとしている。-10m/sを超えるとGは一段強くなるため、ドラッグシュートの使用をおすすめしたい。
・B ストール　2ライナーという設計のため、できない。
・ビッグイヤー　ビッグイヤーのためのAラインがライザーから分かれているため、識別はしやすい。できる限り、ライン上部を握るとようにして行うとよい。アクセルと組み合わせることで、より沈下率を大きくでき、安定して降下できる。また、回復力は強いため、自律的に回復する。

まとめ

　スフィアーRSは、最新2ライナーモデルの中でも高いレベルの性能を備えている。アクセルを踏み込んだ時でも安定性と安全性は高いままで変わることがなく、バランスの取れた扱いやすいハンドリングも備えており、弱点が見当たらない。すべての点で納得できる仕上がりだ。
　2ライナーモデルを乗り継いできた経験のあるパイロットにはもちろん、Cクラスから2ライナーモデルへのステップアップを考えているパイロットにも、その安定感からお勧めできるモデルだ。
　また、スイングでは、ラスト搭載したCCCモデルとCクラス2ライナーモデルの開発を進んでいるという。これからのスイングが楽しみだ。

（REPORT：Satoshi MEGURO）