SWING

ニオス2 RS

着実な進化から生み出された
快適な乗り心地は
『空のロールスロイス』だ!

大幅な改革により着実な進化！ キャノピーとラインドラッグを見直し機敏で正確なコントロール性を実現。理想的なグライダーサイズも選択可能だ。

着実な進化へ

　二オス2RSの開発は、前モデル・二オスRSのバランスのとれた優れた飛行特性を活かし、着実な進化となるよう進められたという。
　セル数はそのまま、アスペクトレシオをわずかに0.1大きくしたことで、グライディングでの直進安定性と最高速度を改善。さらに翼面積の見直しにより、機敏で正確なコントロール性を実現した。機体性能とコントロール性の向上により、サーマリング特性が高まり、上昇性能が抜群に良くなった。また翼面積の変更はウエイトレンジ設定がタイトになり、より理想的なサイズを選択できるようになった。
　パラグライダーのコントロール性とブレークコードの重さに大きく影響する翼後縁のバル―二ング（上下面の膨らみ）は、繰り返しテストした上でミニリブを組み合わせ、3D シェイピングを施し、バル―二ングを最小限に抑えている。また通常は上面に縫い目が出てしまうミニリブの縫製は、テイクオフ時に地面に縫い糸を引っかけてしまうことを防ぐために縫い目を内側にしている。

主な構造についての特徴

・ラインドラッグの減少：新開発プロドライアラミドライン採用。このラインは、特別なプロドライコーティングが施され、吸湿を60％減少させ、紫外線による劣化や影響を減らし汚れがつきにくい。被覆はないが、各ラインはチェックをしやすくするために色分けしている。適度な硬さにより、絡みにくいのも大きな特徴だ。

・軽さと耐久性を合わせ持つセミライトウエイトコンストラクション：摩擦による機体の傷みを考慮して、ナイロン管でカバーされたニチノール（ニッケル形状記憶合金）でリーディングエッジ形状を補強。新開発の軽量化されたラインとナイロンによって、翼を形づくっている。ナイロンはスカイテックス（38g/?・ポルシェスポーツ）、STA15（31g/?・東レ テックファイバー）、WT2042（32g/?・テクテックス）を組み合わせている。

・ラスト（※）による安全性と操作性の向上：キャノピー内部はスパン方向に設けたファブリックパネルによって前後2つのセクションに分割、そのファブリックパネルの上面側と下面側はエアーが流入できる構造がラストだ。スイングではそのファブリックパネルの翼前側をバッファーセクション、翼後部をコアセクションと呼び、特にフライト中コアセクションにはパンパンにエアーが蓄えられるため、気流の乱れに遭遇しても、翼後部までの大きな潰れが起こらない構造だ。

安心感とスポーティーな感覚が共存

　ライズアップはラストの効果もあり、シューティングする傾向がないのに素早く頭上までキャノピーが立ち上がる。助走に移ると揚力はマイルドに高まり、スムーズにテイクオフを完了できる。
　ブレークコードの操作感は手応えがあり、ブレークコードを通して翼の動きを良く感じられる。ストロークは60cm程度あり、大きく引き込んだ時も重すぎることはない。
　秀逸なのは、直線安定性の良さで、フルアクセルの時も安定性が損なわれることがない。リアライザーステアリングのためのBライザーと連動して動作するCハンドルが装備され、ピッチコントロールを効果的にできるCブリッジを採用したC ハンドルを搭載している。
　アクセルを踏み込んでいる時に、アクセルバーを緩めることなくC ライザーを引き下げることで、アタックアングルを効率的にコントロールできる。フルアクセル時のピッチコントロールを効果的に行うことで、スピードを落とすことなく高いパフォーマンスフライトを実現できる。

ターゲット

　二オス2RSは、より高いパフォーマンスを求める貪欲なXCパイロットが満足して楽しめる性能を備えつつ、快適性と安心感、さらにスポーティー性まで高いレベルで備えている。まさに「空のロールスロイス」という形容がぴったりな仕上がりだ。

※RAST=Ram Air Section Technology

（REPORT：Satoshi MEGURO）