ギア・インプレッション

MISTRAL7

SWING

MISTRAL7

ワンクラス上の性能を備えたBモデルで
快適なクロカンフライトを!

オールラウンドスポーツクラスという独自のポジションで、幅広いレベルのパイロットに支持されてきたミストラル。スイングの本拠地ドイツでのクロスカントリーリーグでは、いつの時代のミストラルも1〜3位を独占しXCフライトでの長時間の乗り心地の良さと高性能を証明してきた。そのミストラルも7世代目。さらにスポーティーに進化し、LTF/EN-B認証ながらCクラスに匹敵するワンランク上の高性能を備えているという。

翼の構造

ミストラル7は前モデルに比べ、5.9のアスペクト比を5.5に、翼面積(Sサイズ)25.6?から23.2?と、ともにコンパクトにしている。機体重量も、Sサイズで5.6kgから5.3kgと軽量になっている。そして、スイングが他メーカーに先行しBクラスで初めて採用したシャークノーズ、リーディングエッジのカーブを滑らかに形成する3Dシェービング、ダイアゴナルリブ等、多くの最新技術が見られる。
さらにライン数の少なさに驚かされた。3ライナーで構成された構造は、Aメインラインが片側2本、Bラインが3本、Cラインが2本と7本。ライン総使用長もSサイズで263mと2ライナーコンペクラスと変わらない。メインとミドルラインはエーデルリッド社製テクノーラ、トップラインはリロス社製ダイニーマラインを採用している。

テイクオフ〜フライト

ライズアップはスポーツクラスのように軽い。上がってくる速度は一定で難しさは感じないが、ブレークコードがクイックに反応するため、比較的少ない量での修正動作が必要だ。
フライトしてみると ブレークコードの操作はミストラルシリーズらしく手応えを感じる。ただし少ない操作量でターンを仕上げることができ、シャープなハンドリングとなっている。
トリムで39km/h、アクセルの幅広い可動域から最高速度53km/hと余裕のあるスピードを記録した。アクセルの操作感は60%までの範囲ではとても軽く、キックダウンシステムが効いてくる60%以上では重くなる。
サーマルソアリングでは、シャークノーズなどの高スペックとシャープなハンドリングのためか、少ないピッチアップでサーマルに入っていくことができ、実に滑らかにセンタリングを行える。

乗りやすさが際立つ優れたバランス

やや重みのあるブレークコードの操作感、潰れや緊急降下からの素早い回復性などはBクラスながら、滑空比やアクセルの操作感はスポーツクラスのようにワンクラス上のものだ。高速域の滑空比が優れているため、フライトの際にはソアリングモードとグライディングモードをメリハリをつけ、しっかりと使い分けて、そのグライディングの良さを、ぜひ楽しんでほしい。
なお、その高い性能ゆえに、ステップアップとしては頻繁にフライトの機会を作れる方に勧めたい。また、スポーツクラスに乗っていたパイロットにとってもその性能とハンドリングは満足できるもの。性能、安全性、製品としてのクオリティと、そのすべてがBクラスにおいてトップグレードだ。

(REPORT: Satoshi MEGURO)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L XL
セル数 52 52 52 52 52
翼面積(投影)㎡ 18.6 20.2 21.5 23.5 25.2
翼面積(実測)㎡ 21.4 23.2 25.0 27.0 29.0
翼幅(投影)m 8.8 9.2 9.4 9.9 10.3
翼幅(実測)m 10.8 11.3 11.7 12.2 12.6
アスペクト比(投影) 4.2 4.2 4.2 4.2 4.2
アスペクト比(実測) 5.5 5.5 5.5 5.5 5.5
飛行重量 kg 60-80 75-95 85-105 95-115 105-130
機体重量 kg 5.1 5.3 5.6 5.9 6.2
安全規格(LTF/EN) BBBBB
価格(税込) ¥495,000¥495,000¥495,000¥495,000¥495,000

[製造元]SWING/ドイツ
[輸入・販売元]ヘリグライド(株)
[URL]http://www.heliglide.com/

2014年06月号掲載)