
SWING
CIRRUS4
スイングのプライドを具現化した
高性能ウイング
チーフであるミヒャエル・ハートマンと、自身の手によるプログラムでシミュレーションを行いサポートするステファン・ミューラー。スイングの完成度の高いグライダーの数々は、この2人を中心に開発されている。このたび新しくリリースされたのはDHV2-3クラスの準競技モデル「シーラス4」だ。
構造
アスペクト比は実測値5.85、投影値4.35とDHV2-3のカテゴリーでは控えめな数値となっている。セル数は67で前モデルのシーラス3のセル数75と比べ少なくなり、機体重量も6.7kgとなり少し軽くなっている。
ライザーから延びるDラインはトップラインのところでさらに後方へ枝分かれし、Eラインへ繋がっている。このEラインのシステムは他のスイングのグライダーすべてに採用されており、ピッチ安定とハイスピードな場面での翼の不要な変形を抑えることに効果を発揮している。
フライトフィーリング
リバースでライズアップを行ってみると、エアインテークはすべてがマイラーでしっかりと開かれているため、スムースにエアが翼に入っていく。ライザーの感触は重めだが、70度くらいまで立ち上げると、その重さは減少していく。頭上まで上がってしまえば、あとは軽快そのものだ。ちなみにDHVではテイクオフの項目は1-2を取得している。
テイクオフ後、すぐに感じたのはその独特なハンドリングのチューニングだ。遊びが8?程度と非常に少なくセッティングされ、引き始めからすぐに翼にバンクがついていくのだが、その引いた分だけバンクがきつくなっていく。シャープすぎるという感覚では決してなく、実に素直な操作感だ。フリースタイル(アクロ)グライダーレベルのシャープな感覚を持ち、タイムラグを一切感じずにターンを行える。実に忠実にコントロールにすぐに対応してくれる。
トリムでの滑空速度はやはり速い。データ上では38km/hとなっているが、実際の計測でも38km/hを計測することがあった。実に心地よいスピード感だ。
サーマル中の動きは、ピッチアップの少なさとそのハンドリングの良さから小気味の良いものだ。サーマルで煽られることも少なく、パワフルにサーマルを捕らえ、良い感じの上昇率をみせてくれる。ソアリング中の不用意な操作では、すぐに翼端が少しの動き(3セル程度の潰れ)で教えてくれる。その潰れはすぐに回復してくれ、衝撃を吸収してくれているものだ。
まとめ
シーラス4は完璧な高性能ウイングだ。高い性能・実にいうことを聞く操作感・翼端までしっかりとした張りを持つ安定性…。それらが完璧なバランスで融合している。ハンドリングの良さは時にパイロットを助けてくれるもので、ランディング場が狭いといって高性能な翼を、シーラス4に限っては避ける必要がないだろう。
可能性を追求したフライトをとことん楽しみたいという経験あるパイロットや、初めてDHV2-3クラスへチャレンジしたいというパイロットにシーラス4は向いている。ただし、ハンドリングについては実に(良すぎるくらい)良い感じなので、様子を見ながら徐々にストロークを深くしていって欲しい。
(REPORT/SATOSHI MEGURO)
SPEC INFORMATION
サイズ | 22S | 24M | 26L |
セル数 | 67 | 67 | 67 |
翼面積(投影)㎡ | 22.4 | 23.3 | 24.6 |
翼面積(実測)㎡ | 26 | 27 | 28.5 |
翼幅(投影)m | 9.9 | 10.1 | 10.4 |
翼幅(実測)m | 12.3 | 12.6 | 12.9 |
アスペクト比(投影) | 4.35 | 4.35 | 4.35 |
アスペクト比(実測) | 5.85 | 5.85 | 5.85 |
機体重量 kg | 6.7 | 6.9 | 7.2 |
飛行重量 kg | 70-90 | 80-105 | 95-115 |
速度(MIN/TRIM/MAX)km/h | -/38/54 | -/38/54 | -/38/54 |
沈下率 | 1.05 | 1.05 | 1.05 |
L/D | ― | ― | ― |
安全規格(DHV/AFNOR) | 2-3/― | 2-3/― | 2-3/― |
価格(税込) | ¥509,250 | ¥514,500 | ¥519,750 |
[製造元]SWING/ドイツ
[輸入・販売元]ヘリグライド(株)
[URL]http://www.heliglide.com/