SWING

AXIS5

初めて空を飛ぶ人に必要なのは
これ以上ない程に安全な翼

アクシス5は、これからパラグライダーを始めるパイロットに最適な翼だ。ビギナーのためのLTF/EN-Aクラスに、高性能ウイングから得られた様々なノウハウを注ぎ込み、そして最大限の安全性を持ったグライダーとして完成された。

フレックススティック―最新の構造―

アクシス5のアスペクト比は5.15。37セルで構成されており、翼端から4つのセルがクローズドセルとなっている。リーディング形状を整えるためにマイラーを使用しているが、そこにはスイング独自の“フレックススティック”と呼ばれるナイロンスティックが縫い込まれ、マイラーを使用する面積を少なくしている。
20mm幅のライザーは翼端潰し用ライザーを含めた5本。そして12cmのコントロール幅を持つアクセルは2つのプーリーを備え、軽く踏めるよう配慮されている。ブレークグリップはスイングオリジナルのネオプレーン素材を多用した“マルチグリップ”で、握りの硬さを調整でき、手触りのいい仕上がり。
どの点をとっても、上級機とまったく変わらない構造と材質、そして高いクオリティーを持っており、実に贅沢な仕上がりで持つ喜びを感じさせてくれる。

イージーでありながら高性能

地上で広げたアクシス5は、フレックススティックの効果もあり、エアインテークのすべてがしっかりと立つ。そのため、ライズアップは非常にスムーズ。翼は頭上でとどまろうとし、強く、また速いライズアップ動作でも頭上を大きく越えていくことはない。
最少沈下速度はデータでは1.1m／sとなっているが、実際のフライトではそれ以上、中級クラス程の浮きの良さを感じることができる。旋回性能はマイルドだが、サーマルソアリングではバンク角を決めたあとはキープしやすい。ソアリングで使うブレークコードのコントロール幅では軽く、ターンのための操作に対しての反応はニュートラルで効きはいい。ただ、それ以上の操作ではマイルドなものに変化していく。ブレークコードの遊びは12cm。低速の効きは抜群で、ブレークコードの遊びがなくなってから100cm以上引き込んでも失速しない程だ。
強い突き上げを伴う上昇気流などのラフな気流の中でも、ピッチ方向、ロール方向ともに安定性は優れており、翼の動きに対してコントロールを意識しなくとも自動的に安定をみせてくれる。もちろん、意識的に行ったフロントコラップスからの回復は素早くマイルドに行えた。
そして、ランディングはこの幅広い速度域をフルに活かすことで、イージーだ。たとえ低速からのフルブレークであっても、スムースにフレアーが行える。

次世代のスタンダード

アクシス5は、その扱いやすさと浮きの良さから、スロープでの初めてのフライト、リッジソアリングからサーマルソアリングまでを上のクラスの翼と比べても遜色なく楽しむことができる。スイングの25年にも及ぶパラグライダー開発のノウハウが最大限に活かされ、最新の技術が惜しみなく、存分に盛り込まれている。このアクシス5はスイングらしく、奇をてらわず、真面目に造られている翼なのだ。「何のプレッシャーを感じることなく、思い切り空を楽しむ」ということこそ新しいスタンダードであると、スイングはこのアクシス5で示しているのかもしれない。

（REPORT: Satoshi MEGURO）