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ASTRAL6

待望のハイアスペクト・LTF2クラス機
扱いやすく、誰もがワンクラス上の性能で飛べる！

アストラルは1998年のリリース以来、LTF2クラスとして高性能と安全性のバランスを高いレベルで両立させながら、ハイスポーツモデルの方向性をマーケットに示してきた。そのアストラルも2010年モデルとして、第6世代“アストラル6”がリリースされた。早速、日本初上陸となる機体を広げ、テストしてみよう。

6・4のハイアスペクトとショートライン

アストラルには、常にコンペシーンでテストされたプロファイル、翼構造、マテリアルが、純粋にフィードバックされてきた。最新モデルとなるアストラル6でも同様で、ストラトスWRCの“ハイアスペクト＆ショートライン”を引き継いでいる。このハイアスペクトは、翼を大きくカーブさせることで実現した。このシステムをスイングではHATと呼んでいる。開発チームによれば、トリム速度を向上させることと、翼の回復性を高めることに効果があるという。
リーディングエッジにも新しいフレックス・スティックというシステムがマイラーの中央付近に縫い込まれている。エアインテークは3セル1組の構成で、大きさが部分ごとに変えられている。
ライザーシステムは翼端潰し用のA2ライザーを持つ5本。3列ラインの構造で、アクセルを踏み込んだ時に、翼中央部分に比べて翼端部分のピッチは大きく変化しないようになっている。ブレークコードのグリップも新しくデザインされ、ネオプレーンを使い、ねじれ防止のためのスィーベルが取り付けられている。

滑らかな加速感

早速ライズアップ。フロントでゆっくりと走り出してみると、何の抵抗もなく上がってくる。少しだけブレークコードを引き込み、スピードを適度に調整、そして助走を行い、テイクオフは完了。
テイクオフ後はスピードが滑らかに乗ってくる。トリム速度は少し速めだが、翼は非常に安定して進んでいく。ハンドリングは12cm程度の遊びのあと、しっかりと重さがある。ただ、少ないコントロール量で機首の向きが変わるため、重すぎるという感じでもない。サーマル中でもピッチが煽られることが少なく、スムースにターンできる。サーマルに深く踏み込んでいってくれる感触だ。
ハードなターンを試みてみよう。ピッチング、ローリングで操作感を試してみたが、少ない操作で十分な動きを翼に与えることができた。スパイラルについてもマイナス12m/s程度の沈下速度までは問題なく行うことができ、また回復操作もスムース。どのような操作をしても翼との一体感があり、安心感がある。さらにAストール、Bストール、50％の片翼潰しと試みてみると、これらの操作からは、勢いよく回復する。つまり素早く回復してくれた。

情熱を持つパイロットに！

アストラル6では、「安全が最優先」という印象をいい意味で裏切っている。6.4のハイアスペクトレシオという性能を高めるための王道である手法に正面から取り組み、それを十分な安全性とともに成し遂げた。
実際に乗ってみても、LTF2クラスというのにコンペクラスに迫る高性能を持っていて、実に魅力的な機体だ。乗りやすくなくては性能を引き出すことが難しくなるが、それもクリアーしている。
スポーツとしてパラグライダーに情熱を持って取り組んでいる多くのパイロットにすすめたい。期待を裏切らないスイングらしい翼に、アストラル6は仕上がっている。

（REPORT: Satoshi MEGURO）