ギア・インプレッション

EONA

SUP'AIR

EONA

EN-Aクラスに新たな刺客

言わずと知れたフランスのハーネスメーカーのスープエア。昨年タンデム機をリリースして世間を驚かせたが初のソログライダー「イオナ」が発売された。いったい他のEN-Aとどのように差別化してきたのか?さっそくチェックしてみよう。

テクニカルディテール

EN-Aといってもビギナー向きから性能も重視しサンデーパイロットも楽しめるまでの幅広いラインナップがある。イオナは、いわゆるハイエンドAと言われる性能も重視したモデルだ。
それは、スペックにも表れている。展開アスペクトは、4.8。セル数は41でEN-Aとしては多い部類だ。生地は、ポルシェ製とドミニコ製を組み合わせて用いている。カラーは、スープエアの「S」をモチーフとした左右非対称のデザイン。
ライザーの長さをサイズごとに変えているところ、また右側にグリーン、左側にレッドのテーピングを施して左右を間違えないようにしているところにスープエアのこだわりが表れている。

フライトインプレッション

イオナに乗るのは2回目。発売直後の時は、弱いリッジソアリングのフライトだったせいか乗りやすいなというイメージくらいだった。しかし、今回サーマルコンディションで乗ってここまで良かったかなーと思い返すほどだった。通常、EN-Aモデルでフライトすると良くできているなとは思うが楽しいとはなかなか感じないことが多いのだが、イオナはまず「楽しい」が先行した。
その理由だが、サーマルに思い通りに入っていける自由自在のハンドリングを手に入れている点にある。強いリフトに入っても、きれいにサーマルに切れ込む様子は上級機も顔負けだ。  ブレークコードは、比較的軽めで疲れずセンタリングも小回りがきき、ストロークも適度。非常にバランスが良い。これだけでもこのグライダーを選ぶ価値があると思う。まっすぐ飛んだ時の直線性も抜群。まるで、長年パラグライダーを作ってきたメーカーみたいに完成度が高い。
カラーリングがパステル系でほんわかした印象だが、乗る前と乗った後ではイオナに対する接し方ががらりと変わってしまった。
私は、軽めの飛行重量で乗ったので浮きの良さも印象的だった。重めで乗った人に感想を聞くと、ハンドリングの良さに驚いて「すごく楽しいですね。本当にAクラスなんですか?」と言っていた。
順番が逆になってしまったが、ライズアップは軽く扱い易い。ファーストグライダーとして乗る場合もその点問題なし。一定の動きで上がってくるので、走り出しやブレークコードを引くタイミングも合わせやすい
一連のマヌーバを行ったが、Aクラスということでまったく問題なし。潰れからの回復は穏やかで安心。降下手段の翼端折り、A、Bストール、スパイラルも特別なコツを必要とせず行うことができた。

こんな方にお勧め

なにより安全性にこだわっているが、性能や乗り味をも求める方。他の方と同じグライダーに乗りたくない方。そしてフランスらしいおしゃれな色使いが気に入ったら迷わず買いだ!

(REPORT: Hajime MIYABI)

SPEC INFORMATION

サイズ XSSML
セル数 41414141
翼面積(投影)㎡ 17.019.522.525.0
翼面積(実測)㎡ 20.023.026.529.5
スパン(投影)m 7.718.278.889.36
スパン(実測)m 9.8010.5111.2811.89
アスペクト比(投影) 3.53.53.53.5
アスペクト比(実測) 4.84.84.84.8
ルートコード m 2.482.662.863.01
飛行重量 kg 50-7365-8580-105100-130
機体重量 kg 4.54.85.15.5
安全規格(LTF/EN) AAAA
価格(税別) ¥420,000¥420,000¥420,000¥420,000

[製造元]SUP'AIR/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2015年8月号掲載)