SKYWALK

CHILI2

クラスの常識を打ち破る
新しいコンセプトモデル

LTF-Cに見劣ることのないアスペクトフォルム、
3列へと軽減された最新のラインシステム、
そして各所に素材配置されたSKYWALKオリジナルのハイブリット構造は、
CHILI2をLTF-Bクラスにおいて高性能の極みへと辿り着かせた。
そのハイエンドLTF-Bの域を超えた性能は、
まさに“贅沢の凝縮”と言えるだろう。

あらゆる要素が成熟の域に

そのシャープで精悍なフォルムを初めて見るとき、誰もがLTF-C以上のモデルと勘違いするかもしれない。
5.67のアスペクト比とカイエン3譲りのカラーデザインは、高い性能とスピード、そしてビッグフライトを想像させる。深く、そして頭上を被うハーフアーチは、見た目にも実際のフライトにおいても満足な滑空性能を実現し、L/Dにおいてはカイエン3とさほど変わらない程だ。348mあったチリ1のトータルライン長は、なんと296mに。26.4％ものライン抵抗の低減が、高い滑空速度を持たせることになった。
空気抵抗と耐久性を考慮し、アッパーラインには被覆なしのケブラーラインが3列構成で配される。それが12mm幅のライザーへと纏められ、スピードの向上に大きく貢献しているのだ。定常滑空で38km／hながら、下限速度を21km／hとするクラスBは他に類を見ず、相変わらず広い実用範囲を誇っている。

クラスBハイエンドモデル

素材の軽さも相まってか、十分すぎるほど軽い立ち上がり。翼端に若干の遅れがあるがストレスは感じないレベルだ。テイクオフ直後は、チリ2の最も優れた性能を垣間みることになる。とにかく、スピードと滑空性能の向上は絶大だ。同時に感じられるのが、その安定性の高さだ。不本意なキャノピーの大きな揺れや挙動からの反動を軽減してくれる。
前後、左右の揺れは、程なく強制的に低減されて頭上に収まり、無駄な荷重移動やブレークによる安定操作は必要としない。サーマルソアリングにおいては、強いピッチ安定性により、ロスの少ない上昇を実現。忙しく安定操作に追われることなく、サーマルの形状と大きさだけに集中することができる。逆にサーマル突入時のもたつきがないため、それを感じた瞬間に素早く荷重移動を入れるか、旋回の指示を与えないと、サーマルを外してしまう程だ。
自慢のアクセレーターは、ポイズン、カイエンから引き継がれた同システム。最大で54km／hまで引き出すことができる。その踏み込みは軽く、全てのアクセルストロークを踏み抜いたとしても、翼の安定感は高い。無駄に翼端が暴れることはなく、必要な巡航スピードを維持したまま、安心して目的地へと到達できるだろう。
旋回は穏やかなロールインから、高い直進安定性に反してしっかりと翼の傾きをキープする。外翼を抑える必要はなく、旋回を支持する引き手と荷重移動だけで、翼は常に安定したソアリングを継続する。
ストール、スピンへの傾向はこのクラスにして遅く、高めのニュートラルポジションながら実用範囲の広さを感じることができる。思い切りの良い操作を行っても、翼のもつ強い自立安定性によりすぐに定常滑空へと戻り、信頼感すら与えてくれる。消極的な操作はかえって翼の良さを感じさせない。走る、曲がる、そして止まる等、自在なブレークとアクセル操作でチリ2を楽しんでもらいたい。

（REPORT: Tez SATO）