SKYPARAGLIDERS

EXOS

クロスカントリー・パフォーマー誕生！

徹底的に翼剛性を高めることで実現した滑空性能と軽快なアクセルフィーリングが生み出す加速感は、クロスカントリーフライト・フリークを満足させるに違いない。ARES2後継機のEXOSは滑空性能追求型EN-Cハイエンド機だ。

スカイ渾身のXCパフォーマー

スカイパラグライダーズ社から満を持して発表されたEN-Cハイエンド機は、クロスカントリー・パフォーマーと題された滑空性能追求型の最新機。新しいデザインチームにより2016春発表のEN-BハイエンドAPOLLOが従来のスカイパラグライダーズのグライダーイメージとはまったく違うデザインで発表されたように、今回のEXOS(エクゾス)も軽快な旋回系ではなく、クロスカントリーフライト・フリークの上級パイロットを意識し、滑空性能を限界まで追求したモデルになっている。 　さらに最近多くのグライダーが軽量化のために使っている薄い超軽量生地を使うことなく、ポルシェスポーツ社の最高傑作と言われる、準軽量高耐久性生地「スカイテックス32」を採用、Mサイズ（75-95kg）で4.05kgの機体重量を実現した次世代のEN-Cハイエンドクラスと言えるスポーツグライダーである。

レザーカット・ハイブリッド・シャークノーズ

インテークの開口部には、ナイロンロッドとポリエチレンでできたハイパロンゴムという素材が二重に縫い込まれている。ナイロンロッドは、ラインコネクト部とその他、そして翼端のエリアで３種類のロッドを使い分け、翼全体の剛性としなやかな翼端の動きを実現するため細かく計算して配置されている。 　全てのパネルは最新レーザーカッティングマシンで裁断され、究極の精度により美しい３Ｄシェイプを持ったハブリッド・シャークノーズを実現している。インテークが受ける上下方向からの圧力を跳ね除けるほどの高い強度を持ったシャークノーズは、セル表面から奥にセットバックしてロッドを配置し、セル接続面が変形したり、経年で生地が擦れてくるようなことがなく、長く性能を維持できる設計になっている。スカイではこれをLEO（リーディングエッジ・オプティマイズ）システムと名付けている。 　トレーリングエッジのハーフリブは、ダブルステッチで強固に構成され、インフレーション後はまるでナイフのように鋭く硬く形成される。これによりフライト中、いかなる状況下に置かれてもシャークノーズとトレーリングエッジの断面の変形を、可能な限り制御しソリッドな翼形状を作り出し、これまでよりもワンランク上の滑空比とスピード、そして抜群の安定感をもたらしている。

高度で複雑な構成のアクセルシステム

　ライザーシステムは、３ボトムラインから複雑に分離されている。Aライン／Cライン／スタビライザーの３つの要素が完全に外側に独立して動くように配置され、アクセルシステムの構造はこれまで見たことのないような複雑な動きをみせる設計になっている。 　実際のフライトでアクセルをテストしてまず驚いたのが、ハーフアクセル時のスピードが一気に加速するように感じるのに、全くと言っていいほど沈下を感じないのである。上級者でクロスカントリーフライトを楽しむパイロットにとって、エグゾスの巡行スピードの速さと、楽に10を超える滑空比、そしてこの極端に沈下が少ないアクセルシステムは最強の武器となるに違いない。 　さらにアクセルを踏み込んでみる。フルアクセル時の軽い踏み込みと驚くほどの安定感、そしてそのトップスピードは、さらに上のクラスのグライダーにも引けをとらないものに感じることだろう。

（REPORT: Keiichi Amano）