ギア・インプレッション

SOLA

PHI

SOLA

新しいレベルのシンプルさ

超軽量で超簡単。
最小の重量と最大の安全性を持ったシンプルな翼。
さまざまなアクティビティで
ソラは多くの人が待ち望んでいたグライダーだ!

Aクラスに5機も!?

 2018年からAクラスのシンフォニアで本格的な活動をスタートさせたファイは、「ハイエンドAクラス」というカテゴリーを作り出した。4年が経過、新たにAクラスにスペイン語で「1人」の意味を持つSOLA(ソラ)を投入、Aクラスに5機(タンデム機を含めると6機)を揃える豪華なラインナップを完成させた。
 春と冬が入り混じる茨城県エアパークCOOで、届いたばかりのソラでフライトした。Aクラスに5機も必要なのかという疑問を感じながら、パラグライダーを広げてみた。至って普通。軽量に特化しているわけでもなく、凝った作りをしているわけでもない。素材はスカイテックス27ダブルコーティングを上下面に使っているが、リーディングエッジを形成するプラスチックロッドやライザーは一般的な太さ。そしてラインは全て被覆あり。この辺はパッキングのしやすさ、テイクオフでのラインチェックのストレス軽減をはかっているのかと思われる。軽量にしようと思えばまだまだできそうだが、あえてそこは特化させず、使いやすさを優先している。機体重量は2.8kg(サイズ18)だ。

超簡単なライズアップ

 ソラの開発はファーストグライダーに位置付けているファンタジアをベースにスタートしたが、プロファイルから内部構造、インテーク形状など全てが一新されている。ファイのホームページにもある通り、「ちょー簡単、ちょー楽しい」パラグライダーはどんなものか、サイズ18(55〜90kg)を中間の78kgでフライトした。
 軽くAライザーにテンションをかけるとスッと立ち上がってくる。この時の力加減は、軽くテンションを与える程度で十分。驚くほど簡単に上がってくる。ライン長もさほど長くなく、アスペクト比も控えめの4.7。テイクオフに難しい要素は見当たらない。
 荷重をかけていざ空中へ。グライダーはアップアップする感じもなくサーマルに入っていってくれる。難しい旋回理論なしに、引けば曲がる、曲がれば上がる。センタリング中の操縦も忙しくないので、フライトに集中できる。
 あっという間に1000mを超えたので、アクセレーターをチェック。リアライザーにも程よいテンションがあり、アクセレーター使用時のリアライザーコントロールもしやすい。加速感とアクセレーターを戻すときの挙動(ピッチの動き)ともにAクラスらしい感じだ。このクラスはリアライザーコントロールを駆使してフライトするという性格のグライダーではないが、ファイがソラに込めたキャラクターが見えてきた。

安心感の高い降下手段

 ひとしきり飛んで、トップランディング。短いライン長、低いアスペクト比、卵のようなシェイプ(見上げるとそんな形に見える)が相まって、狭い空間に下すのも簡単だ。旋回で降ろしてもロールダンピングに優れているし、速度調整で降ろしても滑空比を調整しやすくストレスがない。
 2回目のテイクオフはサーマルコンディションが強めになってきたが、安心感抜群のソラならばストレスなし。高度を上げてスパイラル。引いて導入するスパイラルとハーフブレークから外翼のブレークコードを上げて導入とそれぞれ試してみましたが、内翼が反対に行こうとする傾向はなくスパイラルへ入っていく。離脱はピッチ安定、ロールダンピングともに優れているため、安心感が高い。
 次にビッグイヤー。耳の絵が描いてあるライザーを握って引きこむ。ファイのグライダーはビッグイヤーの導入が重いものがあり、ソラも重めの設定。円を描くようにビッグイヤーライザーを引くとあまり引き込めない。真っ直ぐ真下に引くようにするのがコツだ。また、SIVの方法でたまにある内側に引き込むような方法も良さそうだ。インストラクターと相談の上、試してみると良い。
 この時、ブレークコードはビッグイヤー維持の際に引き込まれないよう長くなるように持とう。さらにアクセレーターを併用するとグイグイと高度が下がっていく。下がりたい時に、安心して下がれるというのは、これも安心感を与えてくれるグッドポイントだ!

ソラのキャラクター

 「ちょー簡単、ちょー楽しい」に偽りなし。最後に改めてソラのテクニカルデータを検証してみよう。18から22サイズの体重レンジは35kgの幅がある。20〜25kgくらいが一般的な幅だが、35kgの幅があればハイク&フライや山岳フライトで+αの装備が増えても心配ない。追加テストで18サイズ90〜110kg、20サイズ100〜120kgの認証(EN-B)を取得している。装備が増える本格的なビバークフライトも想定した心遣いだ。
 さらにパラモーターのDGAC認証を得ているも新しい潮流で、ファーストグライダーからミニグライダー、ハイク&フライ、山岳フライト、ビバークフライト、パラモーターとコンパクトで軽く、高い安定性を併せ持つ次世代の多目的機としての資質を備えている。
 フライトを終えて最も印象に残ったのは、難しいことは抜きにして飛ぶことは楽しい! 改めてソラが教えてくれた。

(REPORT:Naohisa OKADA)

SPEC INFORMATION

サイズ 18 20 22 24 26
セル数 36 36 36 36 36
翼面積(投影)㎡ 18.55 20.52 22.59 24.51 26.66
翼面積(展開)㎡ 21.55 23.69 26.08 28.3 30.78
スパン(投影)m 8.02 8.44 8.85 9.22 9.62
スパン(展開)m 10.03 10.56 11.08 11.54 12.03
アスペクト比(投影) 3.47 3.473.473.473.47
アスペクト比(展開) 4.7 4.74.74.74.7
機体重量 kg 2.8 3 3.25 3.4 3.75
飛行重量 kg 55-90 65-100 75-110 90-120 105-130
安全規格(EN/LTF) A A A A A
価格(税込) ¥550,000 ¥550,000 ¥561,000 ¥561,000 ¥561,000

[製造元]PHI/オーストリア
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]https://www.airheart.jp

2022年春号掲載)