ギア・インプレッション

ALLEGRO X-ALPS

PHI

ALLEGRO X-ALPS

超軽量、超高速、そしてエキサイティング!

アレグロをベースに内部構造を変更し軽量化。
メインラインを2本にして新ライザーを採用。
速度とパフォーマンスを向上させ、
これまでにない飛行体験を実現した!

アレグロであってアレグロにあらず!? 

 アレグロエックスアルプスはファイ待望のCクラス機アレグロの軽量バージョンだ。しかし、よく見るとノーマルのアレグロと大きく違う点も見受けられる。ファイも「アレグロをベースにしているが、単なる軽量生地を使用した同じ翼ではない」と明言している。
 サイズは全部で6サイズ。17?から24?で50kgから130kgまでをカバーする。マテリアルはノーマルがスカイテックス32なのに対し、エックスアルプスはスカイテックス27となっており、Mサイズ(20)の重量比較では4.6kgが3.57kgと1kg程軽くなっている。テクニカルデータも、翼面積やコード長などに微妙な違いがある。
 中でも最も大きな違いがラインレイアウトだ。アレグロではメインラインが3本なのに対し、エックスアルプスは2本と少なくなっている。軽量化とパフォーマンス向上に大きな影響を与えるこのラインプランにより、おそらくアレグロとは別モノとも言える性能や挙動を示すのではないか?と想像を巡らせた。

仰天のラインプラン

 アレグロエックスアルプスの20(75-95kg)サイズに装備重量88kg(中間やや上)で試乗した。グライダーを広げてみると、特にアレグロとの違いは感じられない。しかし、ライザーを持つと、そのラインの少なさに少々驚かされてしまう。A1ライザーに1本、A2ライザーに1本、Bライザーに2本+スタビ、Cライザーに2本、それにブレークコードの構成は非常にシンプルでありながら、際立ってラインの少なさを感じさせる。しかしメインラインは被覆があるので、安心感も視認性も十分だ。

快適なCライザーコントロール

 ブレークコードのテンションは十分にあるが、コントロールする感覚がとにかく軽い。そして、ノーマルのアレグロより浮きも良いように感じられる。新しいラインプランにより抵抗が小さいので理屈で考えても間違いないが、感覚としてもそれを体感できる。
 大きな違いがCライザーに取り付けられたバーである。操作しやすいのはもちろん、Cライザーがとにかく軽い。誤解を恐れず極端なことを言えば、フライト中に通常行うような操作のかなりの部分をCライザーだけで行っても苦にならない程の操作性と応答性がある。
 アクセルを踏んでトランジット中でも、軽快且つ快適な操縦がCライザーだけで可能だ。しかも怖さを誘発するような挙動を感じないのが素晴らしい。この操作感覚も、軽量であることと、ラインプランの違いに負うところが大きいのだろう。
 さらにアクセルを踏んだ時のスムーズさは、ハッキリ言って別物だ。トップスピードとスムーズさ、安定性、操縦性、どれも素晴らしく乗っていて楽しいグライダーに仕上がっている。

「軽量」も性能のひとつ

 アレグロエックスアルプスとノーマルの違いをひと言で表現するとしたら「普段は大人しいセダンのような乗り味だが、アクセルを踏むことでスポーティーな乗り味に変身する」アレグロに対し、アレグロエックスアルプスは「すべてが軽くスポーティーな乗り味。スピードを生かしながら安定性を確保した使いやすいグライダー」とでも言っておこう。
 アレグロを検討されているパイロットの方は、アレグロエックスアルプスがアレグロの単なる軽量バージョンであると言う認識を持たないでもらいたい。アレグロの名を冠してはいるが別物のグライダーだ! この点を重ねて強調しておいきたい。
 パラグライダーも「ノーマルだ、軽量だ」と素材によってカテゴライズする時代はもう終わったのかもしれない。軽いことも性能であるし、それ故の特徴も性能の一環なのだ。  これからのグライダー選びには、それらを十分に考慮した上で軽量機も選択肢に入ってくるだろう。アレグロエックスアルプスは、そんな時代にフィットしたベストチョイスと言えるお勧めの1機に仕上がっている。

(REPORT: Koichi Fujino)

SPEC INFORMATION

サイズ XS(17) S(19) M(20) ML(21) L(22) XL(24)
セル数 72 72 72 72 72 72
翼面積(投影)㎡ 17.49 18.91 20.4 21.4 22.44 24.48
翼面積(展開)㎡ 20.4 22.11 23.85 25.02 26.23 28.62
スパン(投影)m 8.81 9.14 9.49 9.73 9.96 10.4
スパン(展開)m 11.09 11.55 12 12.29 12.58 13.14
アスペクト比(投影) 4.43 4.43 4.43 4.43 4.43 4.43
アスペクト比(展開) 6.03 6.03 6.03 6.03 6.03 6.03
機体重量 kg 3.00 3.35 3.57 3.7 3.85 4.15
飛行重量 kg 50-75 65-85 75-95 83-103 90-110 105-130
安全規格(EN/LTF) C C C C C C
価格(税別) ¥715,000 ¥715,000 ¥715,000 ¥715,000 ¥715,000 ¥715,000

[製造元]PHI/オーストリア
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]https://www.airheart.jp

2021年12月号掲載)