
PARAJET
VOLUTION
扱いやすさとパワーを兼ね備えた、
期待の新型モーター
パラジェット社はイギリス南部に本拠地を置く、8年目の会社だ。まだ若く、ダイナミックにこのパラモータービジネスに取り組んでいる。経営者でもあるデザイナー「ジロ・カルドーゾ」は20代と若く、新しいアイデアを形にした製品を送り出している。
ミッション・エベレスト
2007年5月、イギリス人冒険家ベア・グリルとジロはパラモーターでエベレストを飛び越えるという無謀としか思えないチャレンジを行った。『ミッション・エベレスト』、ジロはこのチャレンジのために標高9,000mで機能するエンジンユニットを創り上げた。
この時のエンジンは254cc・4ストロークロータリーエンジン。スーパーチャージャーを搭載し100hp近くのパワーを持つ。1.3m&5ブレードのプロペラで、計算上10,600mでも十分に推力を発揮するものだ。フレームもできる限り軽量にする必要があり、ジロはエンジンとフレーム製作の両面でデザイナーとしての能力を示すことができた。
構造とパーツ
ボリューションは3ブレード、アルミニウムボディ、105cmのブレードガードを持つパラジェットのスタンダードモデルで、推力データは55kgだ。
105cm径の3分割できるブレードガードはブルー。このブルーに塗装されている部分はすべてメインフレームから外すことができる。プロペラとブレードガードを本体から外してしまえば高さ65cm、幅40cm、前後長35cmというコンパクトサイズになる。もっとも、ブレードガード自体105cmと比較的小径のため、車によっては分解しなくとも持ち運びできるサイズといえる。
メインチューブはこのエンジン専用に作られており、がっしりと綺麗に仕上げられている。メインチューブ中央にバッテリーボックスが配置され、メインスイッチを含めた電気系統が集約されている。専用に作られた10Lのガソリンタンクはメインチューブ下部にある。背中にあたる部分はカーブを施すという念の入れようだ。
プロペラは3枚。シミター社製カーボンファイバー。少しきつめにねじられている。このデザイン優先にも見えるガードは、強度を高める役目も担っており、またカラーを選ぶことができる。
アクセルグリップは、アルミ削りだしでカーボンのパネルが張られ、グリップにはアクセル、スタータースイッチ(緑)、キルスイッチ(赤)が付けられている。
ハーネスはカラビナ位置によって肩吊りのタイプと低いハングポイントのモデルがある。
エンジンはセルモーターにより始動する。始動性は良く、まったくストレスを感じることがない。
評価
ボリューションは、① パワフル、② 安定したエンジン、③ スムースな操作性を持つユニットだ。105cmというブレードガードのサイズのため、小柄な方にとっては離陸や直陸時にガードを地面に引っかけてしまうというリスクが軽減され、扱いやすいサイズだと思う。さらに、洗練されたきれいなデザインも、エンジン好きにはたまらないのではないだろうか。
パワフルで扱いやすいエンジンユニットを求めるパイロットであれば、このボリューションは間違いのない選択となるだろう。
(REPORT: Satoshi MEGURO)
SPEC INFORMATION
モデル | ボリューション | チタニウム | マイクロ | マクロ |
重量 kg | 26.0 | 24.0 | 25.0 | 29.0 |
サイズ(組立時) | 160×109×35 | 160×109×35 | 90×93×35 | 136×139×35 |
サイズ(分解時) | 65×40×35 | 65×40×35 | 65×40×35 | 90×40×35 |
プロペラ | 3ブレード・カーボンコンポジット | |||
エンジン | Parajet UK Ltd. | |||
出力 hp/rpm | 22/7600 | |||
排気量 cc | 180 | |||
推力 kg | 55 | 55 | 50 | 68 |
燃料タンク容量 L | 10 | 10 | 6 | 18 |
パイロットウエイトレンジ kg | 65-100 | 60-100 | 50-80 | 65-160 |
ノイズレベル(@30ml)db | 70 | 70 | 70 | 68 |
スターター | エレクトリック・セルスターター | |||
価格(税込) | ¥1,365,000 | ¥1,428,000 | ¥1,344,000 | ¥1,386,000 |
[製造元]PARAJET/イギリス
[輸入・販売元]ヘリグライド(株)
[URL]http://www.heliglide.com/