ギア・インプレッション

SWIFT4

OZONE

SWIFT4

ハーネス含めて10kgも可能な軽さ!
EN-Bクラスの高性能機

軽量ハイエンドEN-Bのスウィフト2がこのほどスウィフト4にモデルチェンジした。2から4というのは、ベースがラッシュ4なので番号を合わせた格好。性能、安全性、軽さの三拍子がそろったEN-Bの登場だ。

テクニカルディテール

 発売されるグライダーごとに革新的なテクノロジーが採用され、性能、安全性で定評のあるオゾンのグライダー。軽量モデルのスウィフト4のベースとなったのはラッシュ4だが、ラッシュ4に比べてなんと1.15kgもSサイズで軽量化。
 サイズは6サイズのラインアップに。MサイズがMS、MLと分けられ、ほぼ10kg違いごとにサイズを選べるので最適サイズが選択可能だ。シャークノーズエアインテークは、高性能にするためのテクノロジーだととらわれがちだが、中低速域においての安定性も確保される万能技術。このスウィフトにも採用されちえる。
 展開アスペクトは、5.55。他メーカーが、ハイアスペクト化するのを尻目にオゾンは控えめだ。ただセル数は51から57へと一気に増え、フォルムはさらにクリーンになった。
 上面の生地は、ポルシェ製からドミニコ製N20Dに変更された。この生地は軽いながらも耐久性があり、触った感じもツルツルと光沢がある。
 ラピッドリングは、金属製から強度のあるダイニーマ製のリンクライトになり、それだけで約200g軽量化された。

フライトインプレッション

 ライザーを片手でひとまとめにして持っているだけで、微風でも長時間頭上キープができるほどにイージー。強烈なサーマルコンディションでは翼端までビシッと張りがあり、カサカサ音もなく、安心してフライトに集中できる。
 センタリングは、ブレークコードの引き込みに即座に反応し、シャープなキレがありとても楽しい。もともとラッシュ4も運動性能が良いのだが、引き始めの動きはさらに良い。
 特に素晴らしいのはグライド中の安定感、滑空性能だ。仲の良いスタッフが、デルタ1とスウィフト4を台湾ツアー中に並んで比較テストを行った結果、スピード、滑空比ともに明らかにスウィフト4のほうが良かったと語っていた。いまや一世代前のEN-Cよりも性能は上がってしまったようだ。
 ちなみに、アクセルはボールベアリング内蔵の大型プーリーのためか非常に軽い。あまりに軽いので踏みすぎに注意が必要だ。
 高速域でも、フラッターが起きにくいようにインテーク付近にわざわざ幅1cmほどのテープが貼り付けてあるほどの細かい作りに関心する。

機材一式が10kg程度に!

 性能に関しては、先ほども述べたが一世代前のEN-Cより上。朝霧で飛んでいると、もはやこれ以上の性能は必要ないのではないかと思ったほどだ。
 ハーネスも3kg前後のものが増えているので、装備の軽量化をしてみたらいかがだろうか? 一式10kgほどのフライトグッズであれば持ち運びの苦労が軽減され、もっと気軽にパラグライダーを楽しむことができそうだ。

(REPORT: Hajime Miyabi)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S MS ML L
セル数 57 57 57 57 57
翼面積(投影)㎡ 18.4 20.1 21.2 22.3 23.7
翼面積(実測)㎡ 21.9 23.8 25.1 26.5 28.1
翼幅(投影)m 8.65 9.02 9.27 9.51 9.78
翼幅(実測)m 11.03 11.51 11.82 12.13 12.48
アスペクト比(投影) 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1
アスペクト比(実測) 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6
ルートコード長 m 2.50 2.612.682.752.83
飛行重量 kg 58-70 65-85 75-95 85-105 95-115
機体重量 kg 3.74 4.05 4.19 4.35 4.55
安全規格(EN) BBB BB
価格(税別) ¥510,000¥510,000¥510,000¥510,000¥510,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2015年4月号掲載)