ギア・インプレッション

RUSH6

OZONE

RUSH6

クラス最高の滑空性能

デルタ4譲りのハイブリッド2.5ラインレイアウトと
アクティブコントロールライザーを採用。
ラッシュ6は異次元のスピードフライトを実現した!

ラッシュ5から一気に性能アップ

 オゾンのラッシュシリーズもついに6モデル目。ハイエンドBクラスの代表モデルとして、地位を不動にしてきたモデルで、ラッシュ5と6ではジャンプアップともいえる性能差があるビッグモデルチェンジとなった。
 オゾンは言わずと知れた世界最大のパラグライダーメーカーの1つである。生産数、ラインナップの多さももちろんだが、圧倒的な性能と乗りやすさ、安全性の高さに定評がある。2021年11月にアルゼンチンで行われた世界選手権では、1位から9位までをオゾンのグライダーが独占。30位までの25機がオゾンのグライダーという圧倒的な支持率だった。  優勝のラッセルと2位オノランは、オゾンのテストパイロット。3位のリュックはオゾンのデザイナー兼テストパイロットである。オゾンの強みは、最強のパイロットと天才的なデザイナーが、現役のトップコンペティターであるということだ。現場をよく知っており、誰よりも飛ぶのが上手。これこそ最強のパラグライダーメーカーとして、君臨できる所以である。
 オゾンはアスペクトに対して非常にこだわりがあり、かたくなに全モデルのアスペクトを低く抑えている。ラッシュシリーズも安全性や取り扱いやすさ、パフォーマンスのバランスを考えてアスペクトを維持していた。しかし今回、4.05から4.18と少しだけハイアスペクト化された。ラッシュ6は、設計からテストまで数百時間にも及ぶテストを繰り返し、取り扱いやすさと性能のバランスを考えた末にこの値を採用した。

構造

 エアインテークの開口部の大きさは、中央部で縦が5cm。ラッシュ5よりも5mmほど大きくなったのは、ライズアップ時のインフレーションを考慮したものだろう。インテーク中心に取り付けられたGストリングはラッシュ5から引き継がれたもので、セル数を増やしたのに近い効果を得ることができる。インテークの形状を綺麗に保ち、なおかつ重量アップを最小限にとどめている。
 ラインプランはガラッと変わり、デルタ4/アルピナ4と同じ2.5ラインレイアウト(ハイブリッド3/2ラインレイアウト)を採用した。通常ラインの取り付け部は、中央から翼端にかけて直線的に配されている。しかしラッシュ6のBラインは翼端にかけて途中から後退して、翼端付近は通常CラインがあるあたりにBのアッパーラインがついている。
 ライザーへの取り付けも特徴的で、中央のBラインはBライザーへ、翼端のBラインはCライザーに取り付けられている。新たに採用したアクティブコントロールライザーは、Cライザーと連動してBライザーを引き込むことで、抵抗が増えるブレークに頼らず迎え角をコントロールすることでき高効率のフライトを可能にする。
 滑空スピードの変化も小さいので、競技では大きなアドバンテージとなり、荒れたコンディションでも減速せずにフライトできるメリットがある。アクティブコントロールライザーはマントラM7から採用したが、ついにBクラスのラッシュ6まで搭載の幅を広げた。

飛行特性

 ライズアップは、Aライザーを引くと最初の立ち上がりはゆっくりで、その後スルスルと、そのまま待っていると自然に頭上で安定する。ラッシュ5よりも立ち上りが良くなり、風が弱くてもより安心してテイクオフできるようになった。
 Sサイズ(飛行重量65-85kg)に80kgで、MSサイズ(75-95kg)も80kgで飛行した。ラッシュ5よりも、若干巡航速度が速くなったのが乗り初めでわかる。それもそのはず、5%ほど翼面積が小さくなり翼面荷重が上がっている。
 ハンドリングも初期のあいまいさはなくスポーティな印象で、ブレークの引き始めからしっかりと向きを変えることができる。デルタ4(Cクラス)のようなフィーリングで、扱いやすさがプラスされたといった感じだ。
 センタリングはまったくストレスがなく楽しい。外翼の走り具合は絶妙にコントロールされていて、キャノピーの一体感がある。軽めに乗っても鈍い感じがないので、初めてハイエンドBクラスに乗る方は体重レンジの中間から軽めがいい。このセンタリング特性だけでも、ラッシュ6を選ぶ価値がある。
 このグライダーの真骨頂はスピードフライトにある。その性能はもはや他のCクラスと同等、いや凌駕するものだ。長時間グライドする際は、ブレークのグリップと一緒にリアライザーを握る。この状態で手を下げると、スピードをあまり殺さずにピッチコントロールができる。プーリーの動きも気持ちいいほどに滑らかだ。
デルタ4のアクセルを踏んだ時の安定感と沈下の少なさはラッシュ6にも引き継がれ、今後ハイエンドBクラスのベンチマークになるに違いない。インテークに取り付けられたストリングの効果もありインテークのフラッターはまったく起きなかった。
 翼端折りの回復は穏やか。中央から18セル目のリブはクローズされ、セル間の空気の行き来はがないのだが、回復はまったく問題ない。このセルの効果で、片翼潰しでも激しい挙動は見られない。BストールはBライザーのプーリーを握って行うが、安定していて回復も穏やかなので降下手段としても効果的だ。

ラッシュ6の印象

 フリーフライトでは、これ以上のグライダーが必要なのだろうかというほど調子が良い。滑るようにグライドし、思い通りのセンタリングができるのでとにかく楽しい。ベストバランスでストレスゼロだ! 他のEN-Cクラスに乗っているパイロットを驚かせるフライトで、快感度はさらにアップすること間違いない。

(Report:GAICHI)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S MS ML L XL
セル数 62 62 62 62 62 62
翼面積(投影)㎡ 17.00 19.11 20.38 21.52 22.64 24.31
翼面積(展開)㎡ 20.05 22.54 24.04 25.38 26.7 28.67
スパン(投影)m 8.43 8.94 9.23 9.49 9.73 10.09
スパン(展開)m 10.69 11.34 11.71 12.03 12.34 12.79
アスペクト比(投影) 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18 4.18
アスペクト比(展開) 5.7 5.7 5.7 5.7 5.7 5.7
機体重量 kg 4.32 4.74 4.96 5.19 5.39 5.65
飛行重量 kg 55-72 65-85 75-95 85-105 95-115 110-130
推奨飛行重量 kg 60-70 70-84 82-94 90-104 100-114 112-128
安全規格(EN/LTF) B B B B B B
価格(税別) ¥580,000 ¥580,000¥580,000¥580,000¥580,000¥580,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]https://www.falhawk.co.jp

2022年2月号掲載)