ギア・インプレッション

RUSH4

OZONE

RUSH4

これまでのEN-Bに
満足できないパイロットへ

ハイエンドEN-Bラッシュ3が、このほどラッシュ4にモデルチェンジした。サンデーパイロットが性能と安全性の両立を求めると、どうしてもEN-Bクラスになるのだろう。その両方に妥協のないグライダーの登場である。

構造の詳細

オゾンのシャークノーズが、ついにラッシュ4に採用された。このテクノロジーは、高速性能だけでなくあらゆる速度域で性能と安定性をもたらす。
取り扱いやすさの目安となるアスペクト比は、ほぼラッシュ3と同じ。オゾンは、ハイアスペクトグライダーに対して以前から慎重で、今回もそれが継承された。セル数は51から57へと一気に増え、作りが複雑になっているにもかかわらずSサイズで300gも軽量化された。
そして6サイズでのラインアップ。MサイズがMS、MLと分けられたことによって、このサイズを多く選ぶ日本人にとって朗報だ。
細かいことだが、翼端から10番目のセルにはサイドベントホールが開いていない。去年からのオゾンのトレンドで、大きな片翼つぶれが起きた場合の回復をゆっくりと行い反動を軽減させ、潰れからスパイラルダイブに入るリスクも軽減されるという。

操縦が上手くなったかのよう!

テイクオフ、空中での操作、ランディングのすべてにおいて、自分のレベルが一段階アップしたように感じられるのがラッシュ4のマジックだ。
まずライズアップだが、キャノピーの立ち上がる速度は風が強くても弱くてもゆっくりで扱い易い。シャークノーズのため、インテークはこのクラスとしては極めて小さいが、無風でも不安はない。常にゆっくりなので対処がしやすい。  空中での印象は、さらに良い。センタリングは、ラッシュ3ではターン途中でバンクの戻るような動きが多少あったが、それが抑えられきれいな円を描きやすい。非常にスポーティーな味付けで楽しい。
グライド中の安定感は、今までのラッシュシリーズの中で群を抜いている。通常、サーマルコンディションだと常に緊張を伴いながら細かくピッチ操作をする必要があるが、その操作中の緊張感が極めて少なく、まず楽しさが先行する。そして、ラッシュ3では潰れの起きる時の感覚がわかりづらい気がしたが、ラッシュ4では翼の動きが手に取るようにわかる。
ハンドリングはスポーティーでとっても楽しい。ウィングオーバーは、自分が上手くなったかと思うぐらいスパスパ決まる。

SPEC INFORMATION

サイズ XS S MS ML L XL
セル数 57 5757 57 5757
翼面積(投影)㎡ 18.0 20.1 21.2 22.3 23.7 26.0
翼面積(展開)㎡ 21.4 23.8 25.1 26.5 28.1 30.8
スパン(投影) 8.55 9.02 9.27 9.51 9.78 10.25
スパン(展開) 10.90 11.51 11.82 12.13 12.48 13.08
アスペクト比(投影) 4.14.1 4.14.1 4.14.1
アスペクト比(展開) 5.65.6 5.65.6 5.65.6
コード(min)m 2.472.61 2.682.75 2.832.97
飛行重量 kg 55-70 65-85 75-95 85-105 95-115110-130
機体重量 kg 4.9 5.2 5.5 5.7 6.06.3
安全規格(LTF/EN) B/(B)B/(B) B/(B)B/(B) B/(B)B/(B)
価格(税込) ¥490,000¥490,000 ¥490,000¥490,000 ¥490,000¥490,000

※カラーオーダー¥20,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2014年12月号掲載)