ギア・インプレッション

RUSH2

OZONE

RUSH2

リラックスしてフライトを楽しめるスポーツモデル

オゾンは、1-2というカテゴリーを重要視し、4機種をラインナップしている。超軽量モデルのウルトラライト、通常フライトも重視した軽量のジオ2、バランスの取れたバズZ、そしてトップパフォーマンスを誇示するラッシュ2だ。

ラッシュ2のコンセプト

ラッシュはDHV1-2で最高性能、切れ味鋭いハンドリングをもつスポーツ性を誇示していた。その後継機であるラッシュ2は、コンセプトを引き継ぎLTF1-2クラスで最高性能をめざして開発された。取り扱いやすさを維持しながら楽しめるハンドリングをもち、XCでも高い滑空性能を求めたグライダーである。その結果1-2クラスでありながら、パイロット証以上に対象を限定しているのも特徴だ。

フライトインプレッション

今回はSサイズの飛行重量70−90kgに中間の78kgで飛行した。乗り始めてすぐの印象は、トリム速度が速めなこと。ハンドリングは、ラッシュではロールのコントロールを丁寧にする必要があったのに対し、自由度が高くなり、誰でも素直な旋回が楽しめるようになった。旋回時のブレークプレッシャーは明らかに軽くなっていて長時間のソアリングも楽になっている。
少し気になったのはかなり引き込んでもあまり重くならないこと。ただ、ブレークコードに伝わる情報伝達はしっかりとあり、翼の粘りもあるので思うがままに操れてとても痛快だ。ラッシュ2は掛け値なしにドラマチックなハンドリングを手に入れている。
旋回中のバンクコントロールは、ラッシュよりも楽になっている。アスペクトを高くしたことで、むしろロールの動きをマイルドにしている感じだ。かといってかったるいということは全くなく、むしろ非常にスポーティなハンドリングを得ている。この辺はオゾンのグライダーならではの妙だろう。しっかりと外翼が走ってきて自由自在なセンタリングができる。そして、丁寧に外翼をコントロールしなくてもほとんど潰れることがない。ストールするときの動きを探って両方のブレークコードを徐々に引き込んでみた。その際のストロークは結構長い。失速時の動きに激しさはない。
アクセルは、ボールベアリング入りのビックプーリーのため、微妙なアクセルワークができるほどの軽さで、競技フライトでも長時間の使用に耐えることができそうだ。プーリー間の距離は約15cmとやや長めで、フルアクセルのスピードは完全に少し前のDHV2を凌駕する。

ラッシュ2の総合評価

誰もが扱える高性能を実現した、まさに万能マシンといえるだろう。LTF1あるいは、いわゆるサンデーフライヤーを対象としたLTF1-2からのステップアッパーは、速いトリムスピードに最初戸惑うかもしれないが、基本的に乗りやすいのですぐに慣れてそのスピードを活かした飛びができるようになると思う。
戦闘的なハンドリングは相変わらずで、高次元に安全性と性能がバランスされた非常に完成されたマシンに仕上がっている。
ランディングしてから、改めて飛ぶことに対する楽しさというか、充実感が湧いてきた。オゾンというメーカーはフライヤーを喜ばす術をよく知っているメーカーだと改めて感心した。

(REPORT: Hajime MIYABI)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L XL
セル数 51 51 51 51 51
翼面積(投影)㎡ 19.40 21.20 23.00 25.00 27.30
翼面積(実測)㎡ 22.30 24.40 26.50 28.80 31.40
翼幅(投影)m 8.86 9.26 9.66 10.06 10.51
翼幅(実測)m 10.97 11.47 11.96 12.47 13.02
アスペクト比(投影) 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1
アスペクト比(実測) 5.4 5.4 5.4 5.4 5.4
機体重量 kg 5.00 5.30 5.60 5.95 6.30
飛行重量 kg 55-75 70-90 85-105 100-120 115-135
速度(MIN/MAX/TRIM)km/h
沈下率
L/D
安全規格(LTF/EN) 1-2/(B) 1-2/B 1-2/B 1-2/B 1-2/(B)
価格(税込) ¥493,500 ¥493,500 ¥493,500 ¥493,500 ¥504,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

(2008年8月号掲載)