ギア・インプレッション

MOJO4

OZONE

MOJO4

モジョ4を斬る!

オゾンは今年の1月メキシコで行われた世界No.1を決めるワールドカップ・スーパーファイナルでも圧勝。そのオゾンが、ハイエンドEN-Aのモジョの最新モデルをリリースした。ついにモジョシリーズも4代目に突入だ。

コンセプト

オゾンというとコンペのイメージが強いが、少し前まではコンペ機よりもシリアルモデルに力を入れるメーカーだった。もちろん今でも、すべてのラインアップに全力投球しており、そのすべてが評判なのはご存知の通りだ。
EN-Aでリスクを負わず最高性能を! というのがモジョ4のコンセプトだ。軽量化しながら耐久性の向上、有害抵抗の軽減、さらに軽いライズアップ、より自然なハンドリング、取り扱い易さを保ちながら滑空性能の向上などがテーマとして挙げられた。
重量は前モデルに比べ、Mサイズで10%以上軽くなっているとのこと。生地はポルシェ製からドミニコ製に。摩擦や紫外線に強く、色あせし難く、肝心のエア漏れも従来より優れた値で、その生地を上下面に採用している。そして、エアインテークの形状を変えて、より翼の効率を上げている。また、リーディングエッジ補強には、プラスチックのバテンを採用している。
ラインプランを新しくすることで、ライン抵抗もモジョ3に比べて8%軽減させたという。これらの改良で、安全性や取り扱い易さなどをまったく犠牲にせず性能を上げることに成功している。

フライトインプレッション

ライズアップ時、前モデルのモジョ3はやや重く手ごたえがある印象だったのが、ずいぶんと軽くなった。好ましいのは、頭上に上がってくるまでが同じ速さでゆっくりなことと、オーバーシュートしないことだ。無風でもまったく問題なくテイクオフできる。
テイクオフしてまず感じるのは、軽めで乗ったにもかかわらず、春の強い風でもしっかりと前に出ることだ。直進性能が高く、嫌なヨーイングも感じられない。旋回はEN-Aをパスさせるためにブレークストロークはやや広めではあるものの、一定のロールをキープしやすくとてもラクチンだ。サーマルにも食い込みやすく、サーマル内でも自由に方向を変えることができた。
失速までのストロークはかなり長く、腰の位置ぐらい。十分な重さがあるので、間違ってストールさせてしまうことは考えにくい。その後の回復も、動きはおとなしめだ。片翼潰しも50%以上潰すと、潰れた側に少し取られる程度で初心者でも余裕を持って対処できるだろう。
アクセルは、ダブルプーリーで軽い。加速感はとてもよく沈下も少なめで「使えるアクセレーター」である。安定度抜群!
翼端折りは翼端折ライザーで行うことができる。回復に関しては、パラパラとゆっくりと自然回復した。Bストールは翼の変形が少ない状態で安定した沈下が得られ、風が安定していなくても暴れるようなそぶりはなく、有効な降下手段として使うことができた。

総合評価

ランディングすると、さっそくこのモジョ4に興味のあるパイロットに声を掛けられた。安全性が抜群なのにとても良く飛ぶのを見ていて気になったようだった。シルエットが美しく、あまりEN-Aクラスに見えないのも良いらしい。
今回の試乗で、すべてのパフォーマンスがアップしていると感じた。すでに性能は数年前のEN-Bに匹敵している。快適な乗り心地、使えるアクセル、サーマルへの入りやすさ、センタリングのしやすさ等含め、サンデーパイロットでも十分楽しめるEN-Aモデルだ。

(REPORT: Hajime MIYABI)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L XL
セル数 39 39 39 39 39
翼面積(投影)㎡ 19.2 21.0 22.9 24.8 26.8
翼面積(展開)㎡ 22.2 24.3 26.5 28.7 31.0
翼幅(投影)m 8.39 8.77 9.16 9.53 9.90
翼幅(展開)m 10.54 11.03 11.52 11.98 12.45
アスペクト比(投影) 3.7 3.7 3.7 3.7 3.7
アスペクト比(展開) 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0
ルートコード m 2.69 2.81 2.93 3.05 3.17
飛行総重量 kg 55-70 65-85 80-100 95-115 110-135
機体重量 kg 5.0 5.2 5.5 5.8 6.1
安全規格(EN) (A) (A)A(A)(A)
価格(税込) ¥357,000 ¥357,000 ¥357,000 ¥357,000 ¥357,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2012年6月号掲載)