ギア・インプレッション

MANTRA M7

OZONE

MANTRA M7

開発に拘り続け
遂に完成!

ゼノに迫るフルグライド時の滑空性能
フルアクセルでも迫る性能を実現
技術革新はここまで来た!

待ちわびていた登場

 通常3年前後でモデルチェンジが行われることが多いオゾンのラインアップだが、開発に気合が入りすぎ発売が遅くなってしまったようだ。2年ほど前に発売の予定があったが、新しい技術を見つけさらなる性能向上が見込まれたことから発売を取りやめた経緯がある。妥協を許さないオゾンの姿勢。これが多くのファンを生んできた背景でもある。

3ライナー、アスペクト6.5でコンペ機に挑む

 オゾンは低アスペクトでも性能を出すことにこだわりを持っているメーカーだ。M7でそれをさらに一歩進め、M6の展開アスペクト6.9をM7で6.5に変更。6.5というと他メーカーのCクラスよりも低い場合もある数字だ。オゾンのテストデータによると、2ライナーのゼノとフルグライド時の滑空性能は遜色なく、フルアクセルでもゼノに迫る性能だという。
 セル数はゼノと一緒で、キャノピーを補強するバテンは途中で切れ目があるが後縁まで入り、広げただけで飛行中と同じような翼を作り出している。

滑るような滑空はゼノそのもの

 試乗はSサイズに、81kgの上限近い飛行重量でフライトした。サーマルが小さく強い朝霧高原では正にベストチョイス、そのインプレッションをお届けする。M6のライズアップはAライザーを引くとBライザーも同時にも引かれる構造のため重く感じられた。M7はその点立ち上がりは軽くなり、かといって被ってくる感じもなく扱いやすい。まずテイクオフして感じるのは、アスペクトがそれほどないので、翼の中心から端まで一つの塊として一体感がある。
 M7のアスペクトの低さが、コントロールのしやすさに拍車をかけている。特に気持ちが良いのは、サーマルを上げきったところから真っ直ぐグライドさせた時だ。最小の高度ロスで滑るように滑空する。この状態でリアライザーコントロールを試してみた。新開発のライザーはBライザーがプーリーを介して動くシステムで、CライザーをコントロールするとBも連動するので、2ライナー機と同じような効果を得ることができる。

3ライナーの安心感と扱いやすさ

 アクセルは非常に軽く、踏んだ瞬間に加速する感覚はコンペ機に通じるものがある。この状態でもう一度リアライザーを引き込むと、Bライザーのプーリーは広い範囲で移動し翼型を変形せず滑るように滑空している。3ライナーの安心感と、扱いやすい6.5のアスペクト、そしてライザーコントロールシステムはハードなコンディションになればなるほど優位性が発揮される。
 翼端折りライザーが装備されているが、翼端が折れたらすぐに翼端折りライザーを離すと翼端が折れたままになるので、この方法がお勧めだ。一方、オゾンはCR3ラインを引く方法を推奨していて、翼端折りと同じ効果(沈下速度の増加)が得られる。
 M7の登場は、このクラスの新たなページを切り開いたといってよいだろう。性能アップしながら乗りやすく安全性も向上し、乗っていて楽しい。これから、Dクラスにステップアップする方にはもちろん、いままでこわごわDクラスに乗っていた方、もっとコンペで成績を出したいと思っている方々にぜひお勧めしたい。

(REPORT:GAICHI)

SPEC INFORMATION

サイズ XSSMSMLLXL
セル数 787878787878
翼面積(投影)㎡ 16.217.61920.421.623.3
翼面積(展開)㎡ 19.320.922.624.225.727.6
スパン(投影)m 8.89.19.59.810.110.5
スパン(展開)m 11.211.612.112.512.913.35
アスペクト比(投影) 4.74.74.74.74.74.7
アスペクト比(展開) 6.56.56.56.56.56.5
飛行重量 kg 60-75 70-85 80-95 90-105 100-115 110-130
機体重量 kg 5.25.45
安全規格 DDDDDD
価格(税別) ¥620,000 ¥620,000 ¥620,000 ¥620,000 ¥620,000 ¥620,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2019年8月号掲載)