ギア・インプレッション

MANTRA M6

OZONE

MANTRA M6

コンペクラスと戦える性能を備えながら
乗りやすさで更なるアドバンテージ!

コンペティター、そしてスーパースポーツグライダーを求めるパイロットが待望していたマントラM6がついに登場した。ヒットグライダーを連発し勢いに乗るオゾンが持てる技術をフル投入、こだわり抜いて開発したというマントラM6とは一体どんな仕上がりとなっているのか?

オーラさえ感じるM6

搭載されたシャークノーズ・リーディングエッジに興味のある方は多いはず。R11で初めて採用され、昨年特許を取得した新しいテクノロジーで、エアインテークの位置が通常よりも下面側に寄っている。新しいモデルごとに洗練されてきたそのテクノロジーが、M6にも搭載さている。
キャノピーは非常に美しく、テイクオフで広げただけでオーラを放ち、人だかりができた。非常に小さなエアインテークで、きちんとエアーが入るのかと危惧するほどだ。キャノピーを補強しているバテンは、インテークと上面のBライン手前でクロスするように3本で構成され、キャノピー全体が塊のように補強されている。バテンのつなぎ目がない状態なので、収納の際はバテンを折らないように、専用の枕のようなクッションが標準装備される。
シャークノーズの効果として、広いスピードレンジを得ることができる、フライト中にアタックアングルが変わっても高い揚力を安定して出すことができる、内圧が安定しているために翼の形状が変わりにくく性能を維持しやすい、などがある。ライザーは、今までシンプルだったが、M6はLM5と同じシステムで複雑だ。
アクセルは、ABのメインライザーの半分をAB翼端ラインが引かれ、スタビラインは引かれない構造で、加速時に片翼潰れが起きにくくなっている。リアライザーをアクセル使用時に積極的に使えるようにグリップがついている。
ライン抵抗はM4に比べ23%も減少。セル数は、エックスアルプスで先日上位を独占したLM5の62に対して66セルに引き上げられた。

フライトインプレッション

テストフライトはMSサイズ、飛行重量は87kgで、飛行重量のほぼ真ん中だ。小さなエアインテークで、微風のライズアップに対して不安であったが、まったくの杞憂であった。立ち上がりが良いので、コツとしてはAライザーを強く引かないことだ。
最初、サーマルだかわからないような弱いリフトで回し、そのまま回し続けていたら500mほどトップアウトできた。他の人は上昇できなかったので、性能の違いがモロに出た格好だ。そして、リフトを外してもノーズダイブが少ないので高度ロスしない。
サーマルを上げきったところで真っ直ぐグライドさせた。普通に飛んでいる限りは猛々しい雰囲気はない。アクセルは、踏み込んだ瞬間に加速する。M4とは明らかに違う加速。100時間以上使用したコンペ機のエンツォと比較してみたところ、浮きはM6のほうが良く、スピードはほぼ一緒だった。短時間の比較なので、あくまでも参考程度の結果ではあるが、乗りやすさという点では明らかにM6が勝る。
新しい内部構造を持つM6の剛性は強固で、今までにない安心感を得られた。また、ピッチ安定が素晴らしくブレーク操作に忙しさを感じないので、疲れも少ないというメリットがあった。アクセルを踏んだ時の加速はM4とは別物で、後継モデルというより一クラス上の性能を持ち合わせていたことに驚きを覚えた。オゾンの新たな歴史がまた始まった。

(REPORT: Hajime MIYABI)

SPEC INFORMATION

サイズ S MS ML L XL
セル数 66 66 66 6666
翼面積(投影)㎡ 18.619.7 20.822.0
翼面積(展開)㎡ 22.023.324.626.0
スパン(投影) 9.79.910.210.5
スパン(展開) 12.412.713.013.4
アスペクト比(投影) 5.065.065.065.065.06
アスペクト比(展開) 6.926.926.926.926.92
飛行重量 kg 65-85 80-95 90-105 100-120 110-130
機体重量 kg 5.2
安全規格(EN) (D)D(D)(D)(D)
価格(税込) ¥577,500¥577,500¥577,500¥577,500¥577,500

※12月10日現在発表されているスペックは、認証が通っているMSサイズのみ。
※カラーオーダー¥21,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2014年02月号掲載)