ギア・インプレッション

MANTRA M4

OZONE

MANTRA M4

シリアルクラスの安全性を求める
XC・コンペパイロットのベストチョイス!

今、ノリにノッているオゾンからリリースされた、シリアルクラス最高峰のEN-Dモデル、MANTRA M4。前モデルのM3もまた非常に評価の高いヒットグライダーであったが、そこにさらに、一大旋風を巻き起こしたコンペモデルMANTRA R10のテクノロジーが投入されている。その性能は約束されたようなものだが、実際に乗ってみてのフィーリングは果たして!?

コンセプト

オゾンが満を持して放つシリアルクラスの最高峰、EN-DモデルのマントラM4。乗る前から性能と乗り味は大体予想はついていた。と言うのも、オゾンのコンペモデルは、世界最高性能でありながら乗りやすい。当然ながらそのM4も同じ流れに違いないと。結論から言うとまさにそのとおりで、パイロットのスキルをグライダーが引き出してくれる、懐の深いスーパースポーツグライダーであった。
スペックをみると、今までのM3とアスペクト比そのものは変わらないが、翼の効率を上げ、ライン抵抗を軽減し、内部構造を変更し剛性を上げて大幅に性能を上げてきている。ひと言でいうと、前モデルのM3にコンペ機のマントラR10のテクノロジーを追加したのがMM4ということになる。
ライン抵抗は10%少なくなり、グライダー重量も200g軽くなり、滑空性能で0.8ポイント上がっている。サイズ構成は、MサイズがMS、MLサイズに分かれ、よりベストサイズを選ぶことができるようになった。
キャノピーを広げると、非常に長いナイロン製のロッドが入ったことで精悍さが高まっていることが分かる。リーディングエッジは、地面に広げた状態でもある程度形成されている。リーディングエッジは、あえてパネルを2回裁断している。手間暇はかかるがこれが性能向上に寄与しているらしい。非常に手が込んでいる。

ライントレース性能と滑空性能の進化に驚愕

ライズアップは相変わらず軽く、無風でもまったく問題ない。あまり力を入れてライザーを引っ張らないことがコツだ。
乗ってすぐに感じたのは、旋回がシャープになり、小回りが利くようになったことだ。内側のブレークを引き込むと、外翼がスーッと走ってくる感じは、引っかかりがなくて乗っていて楽しい。山際でのサーマルハントにおいてもストレスがない。
グライド中の安定感は抜群だ。特に、少しアクセルを踏んだ時の滑空性能は抜きん出ている。どのスピードレンジでも強固なリーディングエッジを形成し続けるのだ。
間違いなく少し前の、コンペモデルより飛びそうな雰囲気を感じるのだが、もちろんそこまでの緊張を感じることなく飛ぶことができる幸せはこの上ない。

総合評価

販売するほぼ全てのグライダーがヒット商品というオゾンが自信を持って発表したM4だけに、ケチのつけようがないと言うのが正直な感想だ。軽いアクセルを踏み込んだ時の滑空性能には、ほれぼれしたし、なにより乗り味が私好みだ。山際で小さく回れるのに沈下しないし、サーマル内での旋回が自由自在。とても楽しくてよく飛んで最高! 参りました!!

(REPORT: Hajime MIYABI)

SPEC INFORMATION

サイズ S MS M L
セル数 63 63 63 63
翼面積(投影)㎡ 19.7 20.9 21.8 23.9
翼面積(実測)㎡ 23.1 24.6 25.6 28.1
翼幅(投影)m 9.7 10.0 10.2 10.7
翼幅(実測)m 12.3 12.7 12.9 13.5
アスペクト比(投影) 4.8 4.8 4.8 4.8
アスペクト比(実測) 6.5 6.5 6.5 6.5
ルートコード m 2.38 2.46 2.51 2.63
飛行重量 kg 65-85 80-95 90-105 100-120
機体重量 kg 5.6 5.8 5.9 6.1
安全規格(LTF/EN) D DDD
価格(税込) ¥556,500 ¥556,500¥556,500¥556,500

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

(2011年8月号掲載)