ギア・インプレッション

BUZZ Z4

OZONE

BUZZ Z4

期待どおりのモデルチェンジ!

EN-Bクラスのエントリーモデル、バズZ4が登場した。今やバズという名前はしっかり根付き、認知度が高いモデルとなっている。それもそのはず、オゾンでもっとも売れているモデルがこのバズシリーズなのだ。

コンセプト

バズシリーズは、サンデーフライヤーでも楽しくリラックスして飛べ、なおかつ性能にもこだわるフライヤー向けのグライダーとして開発されてきた。オゾンには同じEN-Bクラスにラッシュ3があり、こちらがハイエンド、エントリーモデルがバズZ4という位置づけだ。
Z3から変わらないのはアスペクトだ。いたずらにアスペクトを上げるのは好ましくないというコンセプトが引き継がれた。
見た目で一番違うのは、エアインテークの形状だ。空気の整流効果、フライト中の細かなバイブレーションを抑えるために採用されたアーチ状のインテークは、見た目もグッド!上級モデルのマントラシリーズで採用された3D成形によって、リーディングエッジはさらにきれいなシェイプを実現している。ラインプランも変更されており、バズZ3に比べ13%空気抵抗を軽減させたという。
キャノピー生地は、ポルシェからドミニコ製のナイロンに変更されている。色褪せしにくいこと、丈夫なこと、発色が良いこと、エア漏れしにくいことなど、良いことずくめの生地だ。
アクセルのプーリーは、一般的なものからボールベアリング入りに変更された。操作が軽いのはもちろん見た目の高級感もある。  そしてうれしいのは、引き続き6サイズ用意されたことだ。オゾンは、小柄な日本人にフィットする体重レンジでサイズ構成されている。

フライトインプレッション

ライズアップが軽くて簡単なのはオゾンのことだから当然!第一印象は、思い描いたラインをトレースできる旋回特性でサーマルの食いつきが良いことだ。Z3よりも旋回が良くなり、さらにストレスがなくて楽しい。ピッチ安定は抜群に良くて春の荒れたサーマルでも全く不安がなかった。
飛んでいて安心なのは、強い向かい風に対してもグイグイと進んでいくことだ。通常フライトではアクセルの必要性はまったく感じない。が、せっかくのボールベアリング入りのプーリーである。試しに踏み込んでみると、「軽ーっ!」昔、足がつりそうな思いでアクセルバーを踏んでいたのは、一体何だったのだろう。
翼の挙動を見るためにマヌーバを行ってみる。片翼を50%強潰してみたが、潰れた側に90度方向変化する程度で全回復。失速までのストロークはかなり長く、翼が不安定になり始めてからさらに10cmぐらい引き込んでやっとストール、かなりの重さがあるので間違ってストールさせてしまうことは通常は考えにくい。スパイラルは、加速する様子はなくコントロールし易い。Bストールは安定しており、重さを気にしなければ降下手段として使うことができる。翼端折りは、言うまでもなくお勧めの降下手段で回復も穏やかだ。

どんな人にお勧めか?

オゾンでは、年間フライト時間が30〜50時間のパイロットにお勧めと言っている。私自身は10年以上のキャリアの方も十分満足できる翼だと思う。旋回も良く、スピードもあり、安全性も高い。なにより乗っていて楽しいバズZ4は、オゾンのラインアップの中でも名機と言って良いだろう。

(REPORT: Hajime MIYABI)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S MS ML L XL
セル数 45 45 45 45 45 45
翼面積(投影)㎡ 19.1 20.8 22.2 23.5 25.2 27.4
翼面積(実測)㎡ 22.2 24.1 25.8 27.3 29.3 31.8
翼幅(投影)m 8.47 8.82 9.13 9.39 9.73 10.13
翼幅(展開)m 10.69 11.14 11.52 11.85 12.28 12.79
アスペクト比(投影) 3.75 3.75 3.75 3.75 3.75 3.75
アスペクト比(実測) 5.15 5.15 5.15 5.15 5.15 5.15
機体重量 kg 4.8 5.0 5.2 5.5 5.7 6.0
飛行重量 kg 55-70 65-85 75-95 85-105 95-115 110-135
安全規格(EN) B B B B B B
価格(税込) ¥441,000 ¥441,000 ¥441,000 ¥441,000 ¥441,000 ¥441,000

※カラーオーダー¥20,000

 

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2013年6月号掲載)