ギア・インプレッション

BUZZ Z3

OZONE

BUZZ Z3

期待どおりの進化

ついにバズシリーズも3代目に突入した。名前がバズZからいきなりZ3となったことには驚いたが、3代目と捉えればまあ納得いくところ。このところ、話題豊富なオゾンの売れ線モデル、さっそくチェックしてみよう。

コンセプト

昨年から競技の世界で旋風をまき起こすオゾン。コンペモデルのマントラシリーズからフィードバックされた技術が、このZ3にも取り込まれている。
オゾンには同じ1-2クラスにラッシュ2が存在するが、そのすみ分けは明確だ。バズシリーズはエントリーモデルからの乗り換えでも不安なく、そしてサンデーフライトを満喫できるモデルだ。
Zと比較して、まず違うのはトレーリングエッジにハーフリブがびっしりと入ったこと。そしてエアインテークの形状を細かく変え、より翼の効率を上げている。さらに、軽くて軟らかい生地を使い、形状を保つためにプラスティックのバテンを採用している。ラインプランも変更され、Zに比べ12%空気抵抗を軽減させたという。
翼の重量はZに比べ約400g軽量化された。これらの改良で、取り扱いを全く犠牲にせず性能を上げることに成功したのだ。
そしてやはり一番注目したいのは、引き続き6サイズが用意されたこと。オゾンは小柄な日本人にフィットする体重レンジでサイズ構成しており、非常に選びやすい。

●ライズアップ
インテークは小さくなったが、グライダー重量が軽いので立ち上がりに重さは感じられない。あまりフロントライザーを強く引くのではなくて、じわっと引くだけで十分だ。

●操作性
ブレークのストローク自体は、Zよりも増えている。よって旋回時の引き込み量は若干多くなったが、パイロットエラーに対してより寛大になった印象だ。
失速特性はさらに穏やかになっている。吊皮を持つようにグリップを握った状態では、お尻付近まで引き込んでもなかなか失速には入らない。

●滑空性能
後縁のハーフリブによる翼効率の向上、ライン抵抗の低下などにより性能が上がっているのは明らかだ。今回フライトした感じでは、シンクとリフトが入り混じるような大気あるいは軽くアクセルを踏んだ状態だとより差が出てくると思われる。

●旋回性
第一印象は、ロール特性がバズZよりもマイルドになったことだ。旋回中は一定のロールをキープしやすくとてもラクチン。外翼のブレークコードは、開放していても不安定になりにくいので、ファーストグライダーからの乗換えでも違和感を感じることはないだろう。
ピッチ安定は抜群に良く、春の荒れたサーマルでも全く不安がなかった。Bストールは安定しており、重さを気にしなければ降下手段として全く問題なく使うことができる。強めの風とサーマルコンディションでのテストフライトであったが、結局一度も潰れを起こすことはなかった。

Z3は、以前にもまして懐が深くなり、幅広い層に受け入れられるようになっている。操作が楽で、機体重量も軽く安全性が高いとなれば人気が出ないわけがない。  ファーストグライダーからの乗り換えでも不安や違和感が少なく、誰もが高性能を楽しめる翼に進化している。

(REPORT: Masakazu SAITO)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S MS M L XL
セル数 45 45 45 45 45 45
翼面積(投影)㎡ 19.1 20.8 22.2 23.5 25.2 27.4
翼面積(展開)㎡ 22.2 24.1 25.8 27.3 29.3 31.8
翼幅(投影)m 8.47 8.82 9.13 9.39 9.73 10.13
翼幅(展開)m 10.69 11.14 11.52 11.85 12.28 12.79
アスペクト比(投影) 3.75 3.75 3.75 3.75 3.75 3.75
アスペクト比(展開) 5.15 5.15 5.15 5.15 5.15 5.15
機体重量 kg 4.8 5.0 5.2 5.5 5.7 6.0
飛行重量 kg 55-70 65-85 75-95 85-105 95-115 110-135
ルートコード 2.63 2.74 2.83 2.92 3.01 3.15
L/D
安全規格(EN/LTF) B/1-2 B/1-2B/1-2B/1-2B/1-2B/1-2
価格(税込) ¥451,500 ¥451,500 ¥451,500 ¥451,500 ¥451,500 ¥451,500

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

(2010年6月号掲載)