ギア・インプレッション

BUZZ

OZONE

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ベストバランスのDHV1-2

オゾンのバズはDHV1の項目が多く、安全性に配慮しながら滑空性能も求めるユーザーを対象としたモデルである。

バズのコンセプト

バズはファンフライトをこよなく愛するユーザーを対象にしている。NP証以上を対象としておりサンデーパイロットにもお勧めのマルチグライダーである。
キャノピー、ラインの素材は、12Gまでの負荷に耐えたDHV1のモジョと同様のものを使用しているので耐久性に関してはお墨付きだ。非常にライン本数は少なく、束ねて持った時にボリュームの少なさを実感できる。

スポーツ性と安全性の融合

ライズアップは前モデルのヴァイブに比べると明らかに軽い。ヴァイブは前かぶりを抑えているセッティングで上がってくるのがゆっくりで重さがあったがバズは、癖がない。翼に粘りがあって左右にも傾きにくく楽チンだ。そして、あまり一所懸命に走らなくても、翼の揚力が高いのかパッと浮いてくれる感じだ。

Mサイズの飛行重量80〜100kgにバラスト8kgを使用して86kg。軽めでのフライトとなった。巡航は約33〜34km/h。飛行重量の真ん中で乗ればあと1〜2km/hプラスされると考えられるのでこのクラスの平均だといえる。
乗り始めてすぐの印象は、ずいぶん浮きがいいなあということだ。そしてとにかく癖がない。ブレークコードを引かない限りは、ほとんど方向修正無く直線飛行するし、旋回の自由度が高い。ブレークは引き始めからある程度の手ごたえを持たせている。前モデルのヴァイブとは異なったセッティングで、はじめは少し重くなったなとも感じたが、慣れてくると的確な操作が出来るのでむしろいい感じだ。
旋回中の動きはニュートラルで、外翼が先行したり曲がりにくいといったことは一切なくバランスがいい。とてもよく出来た旋回性能だと思う。
ストール付近の挙動をみるために両方のブレークコードを徐々に引き込んでみた。失速までのストロークは結構長く重い。挙動に関しても問題なし。
アクセルは、ダブルプーリーのため軽い。プーリー間の距離は約15cmでやや長め。アクセルは実用性を考えたアクセルで全ストロークをしっかり使える。ただ、ストロークが少し長めなのでハーネスによっては引ききれないかもしれない。アクセル使用中も、ピッチが安定しており不安が少ない。
スパイラルは、引き始めをゆっくりと行えば加速度的にGが増していく感じはなく、コントロールしやすい。Bストールは、引き始めは多少重さはあるもののキャノピーは前後にぶれることなく安定しており効果手段として有効に使うことができる。不安になるような挙動はなかった。普通に飛んでいるときは、まず大きな潰れがおきるような不安定さは感じられなかったが片翼潰しも行なった。90度くらいの間に穏やかに回復。こちらも問題なしだ。

総合評価

バズを一言で言うと、ソアリングマシンという言葉がぴったりだ。まず、浮きが非常に良いのと細かいブレーク操作があまり必要ないので純粋にソアリングに専念できるからだ。
ヴァイブの発売から3年でこんなにもグライダーって乗りやすくなるんだなーと完成度の高さに衝撃を受けてしまった。

(REPORT/Hajime Miyabi)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L XL
セル数 42 42 42 42 42
翼面積(投影)㎡ 19.1 20.9 22.7 24.9 27.3
翼面積(実測)㎡ 22.3 24.5 26.6 29.1 32.0
翼幅(投影)m 8.33 8.73 9.10 9.51 9.96
翼幅(実測)m 10.66 11.18 11.64 12.18 12.78
アスペクト比(投影) 3.6 3.6 3.6 3.6 3.6
アスペクト比(実測) 5.1 5.1 5.1 5.1 5.1
機体重量kg
飛行重量kg 55-70 65-85 80-100 95-115 110-135
速度(MIN/MAX/TRIM)km/h
沈下率
L/D
安全規格(DHV/AFNOR) 1-2 1-2 1-2 1-2 1-2
価格(税込) ¥420,000 ¥420,000 ¥420,000 ¥420,000 ¥430,500

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

(2005年6月号掲載)