ギア・インプレッション

ALPINA4

OZONE

ALPINA4

大幅性能UPの4代目

軽量化による機動性と扱いやすさ、
そして安全性を兼ね備えたクラス最高の性能。
アルピナが追い続けたコンセプトは
アルピナ4で完成の域に達した!

構造と素材

 ご存じの通りアルピナ4とデルタ4は兄弟関係にあり、デルタ4の軽量モデルがアルピナ4という位置づけだ。アルピナ3に比べて20%以上軽量化されているので、持っただけで『軽いなあ〜』と感じることができる。MSサイズで3.9kgと、4kgを切っている。
 シャークノーズはバテン1本+マイラーを組み合わせた第二世代に進化。これにより理想的な形状を手に入れ、軽量化にも貢献している。さらにGストリングというラインがインテークそれぞれの中央に追加された。重量増加を最小限に抑えながら、リブを増やした場合と同等の効果を得るものだ。投影アスペクトは4.4。Cクラスではかなりコンパクトというか、アスペクトを抑えた作りだ。ライン構成はキャノピー中央が3ライナー、翼端付近は2ライナーになった。そのことで一気にライン抵抗が低減された。
 ライザーは、アクティブコントロールライザーを採用。Cライザーを引き込むと、BライザーがCライザーの3分の1引かれるようになっている。これによって翼型を変形させずに2ライナーに似たコントロールができ、グライド中は大気の状態に関わらず理想的なアタックアングルで滑空させることが可能になった。

軽快ハンドリング

 Sサイズ(飛行重量65〜85kg)に中間近くの78kgでテストフライト。ライズアップは、インテークの小ささを感じさせず、初期の立ち上がりが軽い。デルタ4と比べると明らかに立ち上がりが軽いので、無風でもテイクオフのプレッシャーは少ない。キャノピーを立ち上げて、そのまま頭上でコントロールのするのは容易で楽しい。
 アルピナ3はロール方向の動きを抑えた設定だったが、ブレークコードの引き始めからスムーズなロールの入りで小さくセンタリングができた。一方、アルピナ4は初期のロールの入りが良いので、そのままグイグイと入っていくのかと思うとそうでもない。バンクのコントロールがし易く、あまり外翼の動きを丁寧に行わなくても、きれいなセンタリングができてしまう。とてもスポーティな味付けだ。

大幅な性能アップを体感!

 アルピナ4はアルピナ3に比べて滑空比が0.2向上、毎秒12cm沈下が少ないとのこと。1分で7mも高度差がでるそうだ。通常滑空時でこの差だとしたら、アクセル使用時はもっと差がでるに違いない。そこで安心してアクセルが踏めるのかどうか、テイクオフから高度を500m上げてから試してみた。オゾンの他のモデルと同様、アクセルは非常に軽い。片側のライザーにボールベアリング付きのプーリーが4つもついている(アクセル用には2個)。フルアクセルをしばらくキープした。
 エアインテークの中央を上下に結んでいるGストリングの効果か、インテークの形状はきれいに保たれたままで矢のように突き進む。軽量モデルにありがちなインテークのゆがみやフラッターが起きなかった。最高速はアルピナ3よりも時速3km/hアップ。その状態でアクティブコントロールライザーを操作してみたが、引き込みはとても軽くスムーズだ。Bライザーに取り付けられたブーリーが動く様子が面白く、見入ってしまった。

こんな人にお勧め

 アルピナ4の性能は、数年前のDクラスに匹敵する。また、その性能を簡単に引き出せるという特性が、アルピナ4最大のアドバンテージだ。乗っていても常に安心感があるので、初めてのCクラスというステップアップはもちろん、J2クラスなど大会にエントリーしてトップを狙う方にも最適だ。
 春の激しいコンディションでは、EN-DのLM7よりも乗りやすい分、性能を出し切れるのではないだろうか。それ程よく飛ぶのだ。6サイズあるので、重めで乗りたいとか、軽めで乗りたいなどフライトスタイルやエリア特性に合わせてサイズ選びができる点もうれしい。軽量モデルの乗り味が好きではないと思っている方がいるならば、このアルピナ4を試してほしい。軽量モデルの取り扱いの良さはそのままに、フライト中の剛性の高さと性能にきっと満足するはずだ。

(REPORT:GAICHI)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L XL
セル数 6666 66 66 66
翼面積(投影)㎡ 16.4 18.4 19.6 20.7 21.8
翼面積(展開)㎡ 19.3 21.7 23.1 24.4 25.7
スパン(投影)m 8.52 9.04 9.33 9.59 9.84
スパン(展開)m 10.81 11.46 11.83 12.16 12.47
アスペクト比(投影) 4.44.44.44.44.4
アスペクト比(展開) 6.056.056.056.056.05
機体重量 kg 3.5 3.8 3.9 4.1 4.3
飛行重量 kg 55-70 65-85 75-95 85-105 95-115
推奨飛行重量 kg 60-70 70-84 82-94 90-104 100-114
安全規格 CCCCC
価格(税別) ¥650,000¥650,000¥650,000¥650,000¥650,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]https://www.falhawk.co.jp

2021年6月号掲載)