ギア・インプレッション

XXLITE2

OZONE

XXLITE2

Brushup!

誰もが驚いたシングルサーフェイス。
その初号機XXライトの登場から6年。
長い熟成期間を経てリリースされたXXライト2は
どんな進化を遂げたのか?

満を持してXXライト2を投入!

衝撃のシングルサーフェイス(1枚翼)のXXライト(ダブルエックスライト)がオゾンから発売されたのが2012年。私もドキドキしながら飛んだのを鮮明に覚えている。あれから6年の間に各社が工夫を凝らし、1枚翼、または部分的に2枚翼にしたハイブリッド翼などが出てきた。
そしてオゾンがフルモデルチェンジした1枚翼のXXライト2を発売。構造は、前縁のスパン方向にエアインテーク状の筒を配し、それより後ろは完全に1枚翼としている。インテークの形状はバテンで保持され、後縁にも短いバテンが配してある。ライザーは軽さを追求したため、ダイニーマ2本タイプでアクセルが装備された。サイズは16と18?の2サイズで、18サイズでも1.4kgしかない。
試乗はキャノピーを除いた装備重量75kgで2サイズ(16と18)に試乗。風が少し入るとキャノピーが勝手に立ち上がってきてしまうので、ウェイティングしているときはしっかりラインをたるませておかないといけない。つまりライズアップは、ライザーを持たなくても勝手に上がるということだ。その立ち上がりは究極の軽さ。頭上に上がると低速から揚力が出るので、ほとんど助走しなくても余裕を持ってテイクオフできた。(通常のパラの半分の距離でテイクオフできる)

ラムエアで膨らむリーディングエッジを採用

初代XXライトとXXライト2が圧倒的に違うのは、巡航速度と浮きの良さだ。後縁はバテンで補強され向い角の自由度が増したことでアクセルも装備された。安定性が増したのでアスペクトも5.4から5.6に変更された。
16サイズだと速い巡航速度だが、直進しているときのリフトは非常に分かりやすくしっかりと上昇できる。リッジソアリングをしている時の浮きは、とても良く他のグライダーと十分一緒にソアリングできた。この小さな翼面積で、しかも下面がないにもかかわらず、揚力がしっかりと発生することに不思議というか違和感を覚えるほどだ。
ただ360度旋回をするとロールの動きが速く、バンクが思ったよりもかかってしまい高度ロスしてしまう。しかし18サイズだとセンタリング中も良い上昇が出来た。荒れた空域でも潰れるような挙動はないが、程よくキャノピーが反応する。少しブレークを引いていれば不安定さは気にならなかった。微妙な方向修正は、リヤライザーを使うと挙動がさらに安定していた。

すべての面で飛行性能を一新

ピッチの動きは非常に安定している。ロール安定も然り、むしろノーマルパラグライダーよりも良いかもしれない。アクセルのストロークはとても短いのだが、その割に加速する。フルアクセルだと下面のペナントがパタパタ動くが前縁はがっしりしていた。スピードと安定性はなかなかのもので強風でもしっかり前進してくれそうだ。翼端折りは、Bラインの一番外側を引き込むと綺麗に折る事ができた。Aラインだと、ほとんど折れないのだ。どのラインを引いたら良いか分かり難いので、自分のグライダーを購入したら分かり易く見印をつけると良いだろう。
ブレークテンションは、フルグライドから肩までは軽過ぎる位だが、そこから下はちょうど良い。失速付近まで引くと重さが加わり、しかもなかなか失速しない。先代のXXライトはストロークが短くストールも早かったのでランディングで少し不安があったが、その点も大きく改良された部分だ。

乗って2倍楽しいXXライト2!

2サイズを乗り比べて、普通にソアリングを考えたら18サイズがお勧め。ハイク&フライでただ降りるだけなら16かなと思った。
EN認証テストではDとなっているが、テストの際にコラップスラインを使ったためで感覚的にはほとんどA認証で通るのではないかと思う。挙動や特性に少し慣れが必要だが、それを乗りこなす楽しみがある。このXXライト2で飛ぶと自分も楽しいし、周りの人も興味があって喜んで見てくれるので2倍楽しい!

(REPORT:GAICHI)

SPEC INFORMATION

サイズ 16 18
セル数 39 39
翼面積(投影)㎡ 13.9 15.6
翼面積(実測)㎡ 16 18
翼幅(投影)m 8.0 8.5
翼幅(展開)m 9.5 10.1
アスペクト比(投影) 4.6 4.6
アスペクト比(実測) 5.6 5.6
機体重量 kg 1.3 1.4
飛行重量 kg 55-90 67-105
安全規格(EN) D D
価格(税別) ¥340,000 ¥340,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

2019年2月号掲載)