ギア・インプレッション

XENON

NOVA

XENON

Pure racing spirit

一世を風靡した1995年のレジェンドグライダー "XENON"が
レッドブルエックスアルプス2021で復活した!
65セル、アスペクトレシオ6.7、機体重量3.15kg(サイズ17)
NOVA史上最高のパフォーマンスを手に入れよう!

ノバ史上最高のパフォーマンス!

 ゼノンは軽量2ライナーのDクラスということで、エックスアルプスのレギュレーションに乗っ取ったコンセプトだ。グライダーに触った感触は耐久性に定評のあるドミニコ20Dをリーディングエッジに使っていることと、ニチノールのロッドが上面全域に施されていることからか、軽量というよりセミライトのようなタッチだ。
 ライザーには幅8?のケブラーウェービングテープを使用し、捻じれにくくとても扱いやすい。当初からゼノンを一般市販すると明言していたので、超軽量というより一般使用を想定した耐久性と、扱いやすさを求めたデザインとなっていたようだ。
 ゼノンのライザーは43?ととても短く、ライズアップの時にAラインを引っ張りすぎることはなく我々日本人の体形にピッタリのうれしい長さになっている。リバースライズアップでのインフレーションは良好で、頭上安定も容易だ。
 無風や若干の追い風でのフロントライズアップでは、翼端から先に上がってくる傾向がある。マニュアルにも記載されているが、しっかりキャノピーを扇形にセットアップし、翼中央から空気が充填されるようにすることで問題なく完結する。

斬新なラインコンセプト

 テイクオフ後翼を見上げると、片翼3本あるメインラインの2本目と3本目のアッパーパートBラインの取り付け位置が斬新だ。通常2ライナーとはいえ、ラインの取り付け位置はA/A'、B/B'とコード長に対しに4カ所あるものだが、ゼノンの翼端部にはB'がない。
 とくに3本目のパートのB取り付け位置は、コード長の真ん中よりも前側についているのが驚きだ。初級機のプリオン5でさえアッパーラインが完全A、B、Cのラインレイアウトを採用し、その潔さに驚かされた。それを考えれば、ゼノンを見上げたときの翼端の処理は当たり前と思わなければならないのだろうが…それでも驚きのコンセプトだ。

効率の良いハンドリングと気流の変化に敏感な翼

 安定した大気の中の直線飛行は全くブレを感じることはなく、スムーズそのもの。サーマル内では、気流の変化に吸い寄せられるように翼が反応する。
 2019年のエックスアルプスには、ハイエンドBクラス機で参戦した。良好なサーマルコンディションならば2ライナーDクラス機とそん色なく上昇できるのだが、サーマルが地表摩擦層を抜けるときなど、捻じれたようになるところで大きな差がついたことを思い出す。
 ゼノンに乗ると、まさにその時感じた差を埋める特性を感じ取れた。一生懸命ハイバンクのセンターリングをするよりも、サーマルを翼が追いかけていってくれるようなセンターリングで効率よく上がっていくことで、ゼノンのクライミングパフォーマンスを最大限に発揮することができる。

ビッグイヤーOK、B3降下も良好

 ビッグイヤーは大きく折ることはできないが、程よい沈下のビッグイヤーが容易にできた。マニュアルには、ビッグイヤーよりもB3(Bラインの外側)降下の方が安定した沈下率を求められるのでお勧めと書いてある。二又に分かれていて少し上の方にあるB3ラインに手の届く人はやってみても良いだろう。どちらもアクセレーターを併用して行うとより安定感のある降下手段として利用できる。
 ゼノンは2ライナーではあるが、一般向けの軽量Dクラスをイメージして良い。66セルAR6.7の控えめなコンセプトの中に、2ライナーの良さを存分に盛り込み、斬新なラインコンセプトで市販ベースの乗りやすさに仕上がっている。それでいてエックスアルプスでも十分戦える戦闘能力を秘めている。滑空性能の良さは、CCCクラスが参加する大会でも通用するパフォーマンスを備えている。
 ゼノンは、間違いなくノバ史上最高のパフォーマンスをお届けできる翼だ。

(REPORT:Kaoru OGISAWA)

SPEC INFORMATION

サイズ 17 18
セル数 65 65
翼面積(投影)㎡ 17.35 18.42
翼面積(展開)㎡ 20.24 21.49
翼幅(投影)m 9.49 9.78
翼幅(展開)m 11.65 12.00
アスペクト比(投影) 5.20 5.20
アスペクト比(実測) 5.14 5.14
機体重量 kg 3.15 3.30
飛行重量 kg 65-80 75-90
安全規格(LTF/EN) D D
価格(税込) 未定 未定

[製造元]NOVA/オーストリア
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]https://www.aerotact.co.jp

2021年12月号掲載)