
NOVA
TRITON2
これぞ“本物”のパフォーマンスグライダー!
ノバファンが待ち焦がれたパフォーマンスグライダー、トリトン2が遂に完成!プリオン、イオン、メンターといった初中級機が次々にモデルチェンジされるなか、トリトンは本当にリリースされるのかとヤキモキさせられたが、前作トリトン1から6年、妥協のないモノ作りの結晶が期待を裏切らない完成度でデビュー!
待望のハイパフォーマンスグライダー
ノバといえば、その昔、競技会の常勝メーカーとしてその名を世界に轟かせていた。しかしクリプトンを最後に競技会から身を引いて、初中級機に専念。多くのパイロットにはうれしい結果をもたらしたが、スフィンクスを長く乗っていた私にとっては少し寂しいものだった。
そんな中、2008年秋に前作トリトンがEN-Dクラスとしてデビュー。待望の上級機のリリースに、久々の“ノバ”を楽しんだ。そしてそれから一向に新モデルがリリースされることなく、2年、3年…。やはりノバは上級機を作らないのか? しばしそのような空気が流れる中、6年目にして沈黙は破られた。
トリトン2のEN認証はCクラス。パイロットフレンドリーなハイエンドモデルである。最近の上級機はライザーが複雑な作りとなっており、テイクオフのときにどのような持ち方をすればいいのかわからないことがあるが、このトリトン2では心配無用。3本ずつあるA、B、Cのメインラインのうち、A、Bのメインラインの2本ずつには被覆がされている。また、スタビラインもマークされており、いざというとき迷うことなく使用することができそうだ。
翼がサーマルに乗っていく
パラグライダーの性能を向上させるためには、アスペクト比を上げる必要がある。そして、高アスペクト比のパラグライダーに乗るには、その特有の動きに慣れなければいけないのだが、このアスペクト比6・4という数値は、その難しさを必要としないギリギリのラインなのかもしれない。
追い風に変わるタイミングでのテイクオフでも、翼にはスムースに空気が充填され頭の上に上がってきてくれた。これは嬉しい!
テイクオフをしてすぐさま秋の強烈なサーマルにヒット。サーマルが近づくと翼はほどよく加速、サーマルへは喰いつくというより気持ちよく乗っていってくれるような感覚で入っていってくれる。あっけないという位、簡単にサーマルに入ったらあとはブレーク操作を合わせるだけ。翼も高アスペクト比特有の動きはなく、翼が一体となって走ってくれる。まるでメンター3に乗っているかのようなフィーリングだ。
もう1つ、このトリトン2の良さは、ビッグイヤーが容易に行えるということ。導入が容易ということはもちろんだが、リカバリーも少しブレークコードで叩いてあげれば、簡単に翼は元に戻った。
また、ノバが推奨する降下手段「スパイラル」も、このクラスにしてはライン長が短いため、感じるGも最小限度。このクラスを乗るパイロットであれば十分実用範囲のように思える。
クラバットしないハイパフォーマンス機
ノバはこのCクラスグライダーを、伝統のDHV2-3クラスを継承していると明言している。『このグライダーにおいては、コラップス後にクラバットするような心配もほとんどありません』、このノバの言葉を今度は試してみようと思う。
いずれの場面でもパイロットが感じるストレスは最小限、そして十分なパフォーマンスを楽しむことができる。ノバが追求した「ハイパフォーマンスグライダー」、やはり本物である。冬の朝霧が楽しみになってきた。
(REPORT: Naohisa OKADA)
SPEC INFORMATION
サイズ | S | M | L |
セル数 | 71 | 71 | 71 |
翼面積(投影)㎡ | 20.4 | 22.17 | 23.98 |
翼面積(実測)㎡ | 23.27 | 26.29 | 28.43 |
翼幅(投影)m | 9.7 | 10.22 | 10.62 |
翼幅(実測)m | 12.34 | 12.98 | 13.5 |
アスペクト比(投影) | 4.7 | 4.7 | 4.7 |
アスペクト比(実測) | 6.4 | 6.4 | 6.4 |
全高 m | 7.19 | 7.57 | 7.87 |
コード(max/min) cm | 235.6/55.5 | 248/58.4 | 258/60.7 |
飛行重量 kg | 80-100 | 90-110 | 100-120 |
機体重量 kg | 5.1 | 5.4 | 5.7 |
安全規格(EN) | C | C | C |
価格(税別) | ¥560,000 | ¥560,000 | ¥560,000 |
[製造元]NOVA/オーストリア
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/