NOVA

SuSi

Super Simple, Super Easy！

新しいコンセプトのグライダーにはいつもわくわくさせられる。このSuSiは、この上なく「シンプル」な翼。スクールグライダー、そしてリラックスウィングという2つのカテゴリーを生み出した。果たしてその実力は如何に!?

マテリアル

SuSi（スージー）は、“Super Simple”の略。上面と下面で28のプロフィールリブを持つとてもシンプルな翼だ。
グライダーを広げた第一印象は、アスペクト比が低いことと、A、B、Cの3列構成のシンプルなラインプランだ。翼内部の複雑なVリブ構造はなく、ボリュームのある翼端部もパイロットに安心感を与えてくれる。エアインテーク部下面にはフラッター防止のベクトルバンドが装着されている。リーディングエッジはメンター2で実績のあるポリマーロッドで補強されていて、パフォーマンスの向上と軽量化に大きく寄与している。
2?幅テープのライザーは、やや硬めの材質で握りやすい。Aライザーには、ラピットリングから少し下がった位置にグリップポジションとして赤いテープが縫い付けてある。これは練習生がライズアップ時に、必要以上の引き込みを防ぐための配慮だ。もちろんAライザーはビックイヤー用となる翼端側A3ラインが取り付くセカンドライザーにも分かれている。

フライト

まずは無風時のテイクオフからスタート。前述の赤いテープ部分を持ってライズアップ。スムーズなインフレーションからグライダーは素直に頭上に安定しようとする。翼がオーバーシュートする傾向は少なく、ブレーキングは最小限で済む。スクール生でもブレーキングのタイミングを逃すことはないだろう。低速から発生する揚力はしっかりとパイロットに伝わりやすく、狭いテイクオフペースにおいても、スムーズな浮き出しに貢献することだろう。
旋回は、バンクを伴わないフラットな特性。ブレークコードを引いた分、グライダーは素直に向きを変えてくれるため、サーマル内での上昇も効率良く行える。素直なロールインと共に、ターン終了に伴うロールダンピングが少なく、旋回離脱の方向を正確にトレースできる。
驚かされたのはそのグライディングパフォーマンスだ。滑空性能は初級機として全く問題ないレベル。ただし、巡行スピードはゆっくり目に抑えているため、向かい風の強いコンディションでは、ランディングまでの距離に関わらず注意が必要だ。
ビックイヤーによる降下は非常に有効で、アクセルを併用すると−4m/sほどの安定した沈下速度を得ることができた。ただし導入時は、安定したウイングチップが潰れを妨げようとするため、A3ラインをメリハリ良く、思い切って引き込むことをお勧めする。

※マヌーバ動画は以下から確認できる。
http://www.aerotact.co.jp/paraglider/nova/susi/index.shtml

サマリー

スージーは、容易な滑空比コントロールとパイロット課程習得には十分なパフォーマンスの、両面を持ち合わせたシンプルグライダーだ。練習生はもちろんだが、のんびりフライトを楽しむパイロット、そしてハイクアップパイロットのニーズにもこたえる多目的グライダーとしても注目される。全国のインストラクターに評価していただきたい新しいカテゴリー機だ。これからパラグライダーを始める方には自信を持ってお勧めできるベストパートナー機となることだろう。

（REPORT: Ayumu MIYATA）