
NOVA
ROOKIE
NOVAのもうひとつの
DHV1-2グライダー
NOVA社から新たしくリリースされたルーキーは、DHV1-2クラス。これにより、NOVAはこのクラスに、マンブーとルーキーの2機種をラインナップすることとなるが、現在の幅広いDHV1-2のカテゴリーにおいて、ルーキーは、よりDHV1クラスに近く位置しているモデルとなる。
マテリアルと構造
ノバはルーキーに軽量素材を新たに採用することで、さらなる軽量化に成功している。ハンドリングやフライトで感じるのは、上面に40g/m² と軽い生地を使ったことによる、シンタックスよりもさらに軽いハンドリングだ。
ライザーはAライザーが2本に分かれたA内・A外・B・Cの4本ライザーによるシンプルな構造。大きめのプーリーを使用したことでアクセルを踏み込む重さがかなり軽減された感じがする。
そしてライン構成だが、まず本数がこれまでよりもさらに少ない。翼内のダイアゴナルリブ構造を見直し、効果的なラインプランフォームを採用することで使用総ライン長を、それでなくとも少ないシンタックスよりも約100mも短くすることに成功した(約28%減)。このクラスを乗るパイロットにとっては、セッティングのイージーさがとても大きなアドバンテージだろう。
また、ライン素材にPPSL(ダイニーマ)とTSL(ケブラー)のハイブリットラインを使用することで、DHVショックテストを充分にクリアーする強度を得ることができた。ライン表面も滑らかになり、比較テストの結果、空気抵抗の減少から滑空比が0.2〜0.3上がる結果が得られたということだ。
フライトチェック
ライズアップ特性はしっかりしたテンションを感じさせるもので、一定のリズムで頭上に安定した。
サーマルソアリングを目指すスクール生に必要となる、旋回の基礎技術習得には欠かせないイージーなハンドリング、軽いブレークプレッシャー、十分なブレークトラベル。これらが必要とされる旋回開始のロールインでは、比較的フラットに旋回に入る。素直なロールインと共に、ターン終了に伴うロールダンピングが少なく、旋回離脱の方向を正確にトレースでき、スクール教程にある旋回の練習には最適の練習機といえる。また、フリーフライトをストレスなく楽しめるFUNグライダーとしてもお勧めできる。
ライン長の変化による空気抵抗減少はサーマル内での上昇で最も強く感じることだろう。旋回中のピッチは安定しすぎることなく、スムーズにノーズの向きを変えてくれる。
サーマルコンディションの中、ランディングを余儀なくされるスクール生には、正確にピッチコントロールを要求することは難しい。しかし、そんな時でも幅広い速度域とブレークトラベルを持つルーキーは、ブレークコードをやや絞った中速域を使うことでグライダーの自立安定性にまかせてランディングできる。同様に速度コントロールよる滑空比のコントロールも容易に行うことも出来るため、スポットランディングも可能だ。
ルーキーは、まだ経験の少ないスクール生や経験豊かなパイロットにも楽しんでもらえるグライダーに仕上がっている。純粋にフライトを楽しみたい方に自信を持ってお勧めすることができる。
(REPORT:AYUMU MIYATA)
SPEC INFORMATION
サイズ | XXS | XS | S | M | L |
翼面積(投影)㎡ | 19.21 | 21.01 | 22.90 | 24.87 | 26.92 |
翼面積(実測)㎡ | 22.77 | 24.91 | 27.15 | 29.48 | 31.91 |
翼幅(投影)m | 8.28 | 8.66 | 9.16 | 9.42 | 9.80 |
翼幅(実測)m | 10.83 | 11.33 | 11.83 | 12.33 | 12.82 |
アスペクト比(投影) | 3.6 | 3.6 | 3.6 | 3.6 | 3.6 |
アスペクト比(実測) | 5.16 | 5.16 | 5.16 | 5.16 | 5.16 |
機体重量 kg | 4.9 | 5.3 | 5.6 | 6.41 | 6.6 |
飛行重量 kg | 55-75 | 65-85 | 75-100 | 85-110 | 100-130 |
安全規格(DHV/AFNOR) | 1-2/- | 1-2/- | 1-2/- | 1-2/- | 1-2/- |
価格(税込) | ¥462,000 | ¥462,000 | ¥462,000 | ¥462,000 | ¥462,000 |
[製造元]NOVA/オーストリア
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/