
NOVA
PRION3
クロスカントリーの夢を実現させる
ビギナーに安心のファーストグライダー
ノバのファーストグライダーのプリオンシリーズが、PRION 3となり発売が開始された。安心のファーストグライダーとして人気の高いプリオンシリーズだが、PRION 3ではNOVAが提唱する「スマートセル」等の最新のテクノロジーが満載され、どのように進化したのかが興味深い。
ディテール
エアインテークの形状はシンプルなストレート型で、オレンジ色の形状記憶タイプのプラスチックロッドが最小限の長さで組み込まれている。ロッドは多少クロスしているが、プロファイルはエアスクープ型ではないようだ。
ノバのグライダーの標準装備となったインレット下面のベクトルバンドはプリオン3でも同様だ。ライザーの素材はしっかりとしていてねじれにくく、エントリーグライダーとしてはとても取扱いやすい。ライザーにEARS、B-STALLとタグが付いているのも気が利いている。
無風のテイクオフで頭上安定が持続!
無風のコンディションだったが、フロントテイクオフでの頭上安定をテストしてみた。ライズアップで使用するライザーはスプリットAライザー2本のうちラインが2本組み込まれた一番前のライザーを持つと良いようだ。引き始めから軽めで程よいテンションを感じ、キャノピーが頭上に上がってくるのが良く分かる。そして、無風であるにもかかわらず5秒以上キャノピーがいてくれる。まるで軽量グライダーのような扱いやすさで驚きだった。
プチクロスカントリー
Mサイズ(90〜110kg)は幅の広いウエイトレンジだが、90kgのミニマム重量で飛行してみた。
プリオン3のハンドリングは重すぎず、軽すぎず、旋回の導入は簡単であるにもかかわらず回りすぎず、ビギナーには最適のセッティングだ。それでいて、サーマルの中での旋回は初級機のようなストレスを感じることなく、逆に超快適なセンタリングが楽しめる。プラス6m/s以上の強いサーマルにヒットするときも、サーマルへの入りで翼が暴れることなく、ファーストターンへの導入はスムーズ。
クラウドベースに達したところで、約10kmのアウト&リターンをグライディングしてみた。ハーフアクセルでのクルージングは快適で、上昇の強さに応じて、強いとことではフルアクセルを踏み分けることで滑空角を調整し、雲底からのディスタンスを保つことができる。
プリオン3のキャッチフレーズは、「Hungry for adventure」とある。エリアを飛び出して空を旅するアドベンチャーへの憧れを、現実なものとしてくれる翼だと実感した。
サマリー
プリオン2からプリオン3では、最新のテクノロジーを満載したせいなのか、飛行性能は数段良くなっていると感じた。ビッグイヤー、Bストールなどの降下手段は容易で、いざという時にスパイラルで降下を試みても、両手を上げることで自動的に回復するように設計されている。なお、エントリーグライダーとしてプリオン3を選ぶ方にはウエイトレンジ真ん中より下の方で選んでもらっていいようだ。
プリオン3はあなたの大きな夢であるクロスカントリー飛行を具現化してくれる、オールラウンドな翼といえる。ぜひお試しあれ。
(REPORT: Kaoru OGISAWA)
SPEC INFORMATION
サイズ | XS | S | M | L |
セル数 | 39 | 39 | 39 | 39 |
翼面積(投影)㎡ | 19.24 | 21.81 | 24.38 | 27.98 |
翼面積(実測)㎡ | 22.54 | 25.54 | 28.55 | 31.61 |
スパン(投影)m | 7.98 | 8.49 | 8.98 | 9.45 |
スパン(実測)m | 10.25 | 10.91 | 11.54 | 12.14 |
アスペクト比(投影) | 3.3 | 3.3 | 3.3 | 3.3 |
アスペクト比(実測) | 4.66 | 4.66 | 4.66 | 4.66 |
全高 m | 6.12 | 6.52 | 6.89 | 7.25 |
総ライン長 m | 213 | 226 | 240 | 252 |
飛行重量 kg | 55-85 | 75-100 | 90-110 | 100-130 |
機体重量 kg | 4.7 | 5.0 | 5.4 | 5.7 |
安全規格(LTF/EN) | A | A | A | A |
価格(税別) | ¥420,000 | ¥420,000 | ¥420,000 | ¥420,000 |
[製造元]NOVA/オーストリア
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/