ギア・インプレッション

PRION2

NOVA

PRION2

Aクラスハイエンド機、登場!

NOVAでは、EN-Bクラスに2つのグライダーをラインナップ。クラスハイエンドの性能を持つMENTOR2と、スタンダードなION2で、ENの幅広いクラスに対応している。同様にEN-Aクラスも細分化、スタンダードEN-Aとして定番となったPRIONに加え、クラスハイエンドのPRION 2が新たに登場した。

セットアップ〜テイクオフ

NOVA最新テクノロジーを採用されたプリオン2のイメージは、軽快。スクール機として必要とされる安定性を持ち合わせながら、サーマルソアリングを習得するために必要な旋回と上昇性能は、パイロットも唸らせるとのこと。
グライダーを広げた第一印象はやはり、ラインがシンプルで少ない! ABCの3列コンセプトに加え、メインラインはそれぞれ2本ずつ。スタビライザー、ブレークを含めても片側なんと8本しかラインがない。当然ながらチェックはラインを裁くだけで、あっという間に終わってしまった。
リーディングエッジはポリマーロッドで補強されていて、パフォーマンスの向上と軽量化に大きく寄与している。このポリマーロッドはマイラー素材のように合わせる必要なく、リーディングエッジを気にすることなくパッキングすることができる。
テイクオフは3m/sのアゲンスト。まずはスムーズなインフレーションからグライダーは素直に頭上に安定しようとする。ところが、インフレーションから頭上に上がろうとする間、揚力はしっかりとパイロットに伝わってくる。グライダーを目視しなくても、上がっている具合を容易にイメージすることができるだろう。

旋回特性・アクセレーション

ブレークコードの引き始めにおけるブレークプレッシャーは軽い。ところが、ストロークが深くなるにつれてしっかりした重さに変わってくる。トレーディングエッジに施されたリーフィングシステムにより、最初のロールインが軽くスムーズになったため、ターンは軽快に感じることだろう。
バンクを伴わないフラットな旋回特性を示し、ブレークコード引いた分グライダーは素直に向きを変えてくれるため、サーマル内での上昇も効率良く行うことができる。素直なロールインと共に、ターン終了に伴うロールダンピングが少なく、旋回離脱の方向を正確にトレースでき、スクール教程にある旋回の練習には最適の練習機といえる。
アクセルバーの踏み込みも軽く、スムーズな加速が得られた。フルアクセルで+8km/hとこのクラスでは充分なスピードと言える。ライン空気抵抗が大幅に減少したことと、メンター2と同じアクセルシステムを採用したことにより、このスピード域においてグライディングパフォーマンスは明らかに向上している。

サマリー

パイロットも十分満足させるパフォーマンスを持つプリオン2だが、NOVAではスタンダードEN-Aとしてプリオン1を継続的に販売することで、スクール環境に合わせた選択を持たせた。プリオン2でのフライトで滞空時間が長くなることで、空中での操作の習得は飛躍的に早くなるだろう。
カテゴリーごとに細分化し、スクール、パイロットのニーズに対応するNOVAのフットワークの良さがうかがえる。ぜひこの新しいカテゴリー、ハイパフォーマンスEN-Aを楽しんでいただきたい。

(REPORT: Ayumu MIYATA)

SPEC INFORMATION

サイズ XXS XS S M L
セル数 39 39 39 39 39
翼面積(投影)㎡ 19.4 21.21 23.12/td> 25.11 27.18
翼面積(実測)㎡
翼幅(投影)m 8.07 8.44 8.82 9.17 9.56
翼幅(実測)m
アスペクト比(投影) 3.36 3.36 3.36 3.36 3.36
アスペクト比(実測)
全高 m 6.13 6.42 6.7 6.98 7.26
ライン全長 m 208 217 227 236 246
飛行総重量 kg 60-80 70-90 80-110 90-110 100-130
機体重量 kg 4.8 5.1 5.5 5.8 6.2
安全規格(EN) (A) A A A A
価格(税込) ¥399,000 ¥399,000¥399,000 ¥399,000¥399,000

[製造元]NOVA/オーストリア
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp

2012年10月号掲載)