ギア・インプレッション

MENTOR

NOVA

MENTOR

ハイパフォーマンスを生みだす優れたデザイン。
1-2クラスのハイエンドモデルに
期待の新作登場!

NOVA社の、経験と最新テクノロジーという最強の組み合わせから生まれる、斬新かつ信頼のあるグライダーは、いつも我々パイロットをワクワクさせてくれる。

新たな認証を取得した翼

メンターとは良き指導者の意。そのクラス認証は、LTF1-2/EN-Bである。認証テストの結果とその内容はホームページ上で公開されており、左記アドレスからビデオを見ることができる。
http://video.euroapr.de/video/flvplayer/flashvideo-player.html?flashvideo=Mentor.flv
メンターはいくつかの新素材を採用している。トップカスケードには、0.6?の剥き出しダイニーマラインが使われ、ライザーはラーと同じ細いケブラーテープを使うことで空気抵抗も削減されている。また、キャノピーのトップセイルは45gNCV、アンダーセイルは40gNCVを使用していて軽量化が図られている。 ラー、ルーキーで実績のあった2本ラインシステムではなく、安心感のある3本システムになっている。インフレーションからライズアップまで一定のリズムで上がってくる特性は非常に扱い易い。ライン全長は前作マンブーより10mも短縮されており、これがライズアップ特性をよりスムーズにしているように感じた。

ウイングチップとハンドリング

マンブーとメンターとの外観の違いは、やはりウイングチップの形状だろう。ややボリュームのある形状がメンターだが、安定感と同時に外翼にしっかりとしたスピードを持った旋回をもたらしてくれる。フラットなターンを持ち味とするマンブーに比べメンターは明確なバンクを伴い、サーマルにはしっかりと食い込んでいく特性を感じさせられた。マンブーに比べ若干抑えられたアスペクトレシオにより、旋回中の翼に一体感が生まれていることもハンドリング向上につながっているようだ。

サーマル内での上昇と直線飛行

メンターに乗って感じる最も驚くべき点は、サーマル内での上昇能力である。グライダーやブレークコードからのフィードバックが非常に的確かつ素直で、自然と上昇成分の強いところへグライダーをトレースでき、さらにメンター自身が持つ素晴らしい上昇能力によって、一緒にガグリングしたどのグライダーよりも速く、高く上げることができた。
続いてトランジットにおけるパフォーマンスをチェックする。スピード、滑空比共に申し分なく、まるでクラス2のラーに乗っているようだ。しかし、その安定性はさすが! 抜群のピッチ安定で、最大限に滑空性能を容易に引き出せる。高い完成度に新しい1-2カテゴリーを感じることができた。
某テストパイロットが「この翼はテストパイロットがデザイナーに敬意を払うべきグライダーだ!」と賞賛しているのを聞いたが、その理由が本当によく分かる。感動の翼といって良いだろう。
幅広いクラス1-2の中でもハイエンドに位置しているメンターだが、初級機を十分に乗りこなしたパイロットからXCを目指すエキスパートパイロットまで、安心して高性能を楽しめるグライダーであることは間違いない。感動の翼を試していただきたい。

(REPORT:Ayumu MIYATA)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L
セル数 53 53 53 53
翼面積(投影)㎡ 20.59 22.59 24.58 26.56
翼面積(実測)㎡
翼幅(投影)m 9.06 9.48 9.89 10.26
翼幅(実測)m
アスペクト比(投影) 3.9 3.9 3.9 3.9
アスペクト比(実測) 5.4 5.4 5.4
機体重量 kg 5.5 6.0 6.5 7.0
飛行重量 kg 70-90 80-100 90-110 100-130
安全規格(LTF/EN) (1-2/B) (1-2/B) 1-2/B (1-2/B)
価格(税込) ¥535,000 ¥535,000 ¥535,000 ¥535,000

[製造元]NOVA/オーストリア
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/

(2008年4月号掲載)