NOVA

ION

1-2クラスの完成度はどこまで上がるのか!? 最先端をゆくNOVAによる、安全かつ自由な翼！

全世界で2500機を売り上げたLTF1-2ベストセラー機「Rookie」の後継機として、「ION」がついに日本上陸！完成されたセカンドグライダーとしてプロインストラクターから高い評価を受けていた「Rookie」からどのような進化を遂げたのだろうか？

セットアップ

メインラインがABCDそれぞれ2本構成。これはノバの1-2クラス特有のコンセプトで、シンタックス、ルーキー、そしてこのイオンに受け継がれている。
ライザーはこれまでの柔らかいテープから、やや固めのライザーテープに変更されている。やや厚めで握りやすく、そのためライザーが捩れていても気づきやすい。ビックイヤー用のセカンドライザーには「EARS」タグが、Bライザーには「B-STALL」のタグが取り付けてあり、高度処理においても、安全確実な操作が目視しながら行えるよう配慮されている。スクール現場インストラクターからのフィードバックが、イオンの進化に大きく貢献しているようだ。

オートマチックなテイクオフ、軽快な旋回性

ライズアップはとにかく軽い！ 余計なストロークは必要なく、手をAライザーに添えるだけで自然にグライダーが上がってくるように感じた。揚力はしっかりとパイロットに伝わりやすく、グライダーを目視しなくても上がっている具合をイメージすることができる。グライダーが前方へシュートすることなく頭上安定する特性は、まさにオートマチックだ。
フライトでの操作性はどうだろう？ ブレークプレッシャーは、引き始めは前作よりも明らかに軽い。ところが、ストロークが深くなるにつれてしっかりした重さに変わってくる。ロールインが軽くスムーズな分、ターンは軽快に感じることだろう。バンクを伴わないフラットな旋回特性を示したが、引いた分だけ素直に向きを変えてくれるため、サーマルでの上昇も効率良く行える。
素直なロールインとともに、ターン終了に伴うロールダンピングが少なく、旋回離脱の方向を正確にトレースでき、スクール教程にある旋回の練習には最適の練習機といえるだろう。
アクセルの踏み込みは軽く、フルアクセルで＋13?／hと、このクラスでは充分なスピード、そして驚くほど沈下速度は小さい。ハイスピード時においてもクリーンなリーディングエッジ翼形が維持されているが、これはLTF2クラスのファクター、2-3のトリトンで実証された、「ベクトルバンド」の効果だ。

思い通りのアプローチ

深いブレークストロークからくる幅広いスピードレンジにより、ランディングはより安全に安心感をもって行うことができる。特にファイナルターン後の直線では、中速域を使うことをおすすめしたい。滑空比コントロールがたやすく、スポットランディングが可能だ。高く進入してしまった場合なども、無理にスラロームをすることよりも断然安全で有効な方法である。 　幅広いLTF1-2カテゴリーにおいて、イオンは限りなくLTF1に近いモデルとなっている。そこで、初級機からの2機目への乗り換えとして、ソアリング技術を学ぶには最適なグライダーと言える。日本のフライトコンディションにおいては、装備重量真ん中またはやや軽めでのサイズチョイスをお勧めしたい。
また、ファングライダーとしてのんびり空を楽しみたいパイロットにもお勧めの一機といえるだろう。

（REPORT: Ayumu MIYATA）