ギア・インプレッション

TAKOO5

NIVIUK

TAKOO5

Benefits for professional pilots

新プロファイルによりスピードコントロールを容易にし
軽い操作で反応するハンドリングが旋回性を大きく改善。
第5世代タコーはあらゆる面で利便性を向上させ
厳しいプロパイロットを満足させるために生まれ変わった。

3サイズ展開で110〜239kgをカバー

 ニビュークのデザインは昨年秋頃から新しいデザインとなり、よりシャープな見た目になった。サイズは嬉しい3サイズで、パイロットの体重や使用環境に応じて最適なものを選ぶことができる。一番小さい39サイズは体重レンジの変更はないものの平面積が0.5㎡小さくなり、42と44サイズは平面積の変更はない。3サイズで、110〜239kgまでをカバーしている。
 パラグライダーを広げてみると、色鮮やかなラインが目に飛び込んでくる。メインラインはもちろん、アッパーラインまでやや太めの被覆つきとなっており、ラインチェックは簡単だ。無理に細いラインを使わない、まさにプロユースな選択となっている。
 さっそくプレフライトチェックを終え、テイクオフ。すでにサーマル交じりのコンディションのようで、テイクオフには風が入りにくい状況だが、試しにAライザー(翼端折りライザーとともに)を持って走り出してみた。

快適インフレーションで楽々テイクオフ

 思いのほか簡単にインフレーション、ちょうど良い速度で立ち上がってくる。上面はハードな使用に耐えられるようにノーマルな生地が採用されているが、痛みの少ない下面には軽量生地を採用。構造の変更もあると思うが、適所に軽い生地を使用することで、テイクオフ性能は向上している。軽いライズアップはパイロットの体力的な、精神的な負担を軽減させてくれる。
 ちょうど良くサーマルをヒットしたので、センタリング。カタログ通り、ダイレクトなブレークタッチが心地よい。たくさん引かなくてもちょうど良い位置で、ブレークコードを保持できる。短すぎず長すぎずといったところだ(ただ、これは使用するハーネス、スプレッダーにもよっても左右される)。ちょうど良い位置で旋回できるということは、腕力を必要としないということでもある。

ビッグイヤーを維持できる
便利なイヤーロックシステ

 タコーシリーズで好評だったイヤーロックシステム(ELS)はタコー5でも継承。専用のループを引き下げると軽い力でビッグイヤーが可能で、長時間の使用に備えてパイロットが手を放してもビッグイヤーを2段階で仮止めすることができる。ビッグイヤーをしやすいかどうかはタンデム機にとって重要な要素で、これも「楽に」行うことができる。
 正確な評価するために何度かフライトして、ランディング特性を確認してみた。ハンドリングがダイレクトなこともあり、ブレークは早めに効き始まる。地面が近づくのに合わせてブレークコードを引き始めると緩やかにクライミング、もうひと引きしたところでタッチダウン。最後のひと引きは、いずれのタンデム機も重いものだが、タコー5も同傾向だ。ただ、3サイズから選ぶことができるので、自分に合ったサイズを選べばより楽に行うことができるはずだ。

最後に

 タンデム機の特徴でもあるスプレッダーは、重すぎず、長すぎず、使い勝手のよいものに仕上がっている。パッセンジャーの取り付けポイントは2カ所、パラシュートの取り付けポイントも標準装備、さらにブライダルコードを収めておくカバーも2カ所ある。もちろんLTFの認証テスト(LTFはドイツの法律で、スプレッダーに関して唯一、強度テストを実施している)にも合格している。
 そして今回のテストの肝となる印象だ。カタログに並んだ美辞麗句は言葉だけにあらず、その通りのものだった。また、プロタンデムパイロットに求められる「楽さ」も、十分に満たしている。今シーズンは、このタコー5で多くのパッセンジャーを大空へ誘ってみよう!

(REPORT:Naohisa OKADA)

SPEC INFORMATION

サイズ 39 42 44
セル数 54 54 54
翼面積(投影)㎡ 32.18 34.72 37.66
翼面積(実測)㎡ 38 41 44
スパン(投影)m 5.5 5.5 5.5
スパン(実測)m 12.07 12.48 12.94
アスペクト比(投影) 5.5 5.5 5.5
アスペクト比(実測)
飛行重量 kg 110-190 120-220 140-239
機体重量 kg 7.14 8.51 8.06
安全規格(LTF/EN) B B B
価格(税別) ¥530,000 ¥530,000 ¥550,000

[製造元]NIVIUK/スペイン
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]https://www.airheart.jp

2021年4月号掲載)