
NIVIUK
PEAK3
2ライナー・ノーマルDクラス機、誕生!
PEAK3をEN-Dスタンダードクラスの安全性と乗り心地にするために、NIVIUK開発チームはそのアスペクト比を下げるという大決断を行なった。PEAK 3は、今後のグライダーデザインにおいてターニングポイントとなる画期的なコンセプトのもと誕生したグライダーである。
アスペクト比を下げるという決断の真意は?
パラグライダーのデザインの進化は続いている。イノベーションという言葉にふさわしいグライダーが登場した。ピーク3は、コンペモデルアイスピーク6のテクノロジーを受け継ぎ、2ライナーグライダーのスピード、滑空比等のパフォーマンスを体感することができる。いくら性能を上げても、そのクラスのパイロットがグライダーをコントロールできなければ意味がない。ピーク3の最大の変更点は、アスペクト比を前ピーク2の6.7から6.5まで下げたことだ。
アスペクト比を下げたことは、様々な利点をもたらした。
風が変化した時にスパン方向の翼への影響が少なく、コラップスのリスクが減り、また同時にクラバットのリスクも減少した。加えてハンドリングの向上、グライダー重量の減少などのメリットが生まれた。すべて、乗りやすさや快適さの向上をもたらしている。
より高次元のパフォーマンスの追求
ピーク3のラインプランはユニークだ。ライザーは2ライザー。ボトムラインは2列。ミドルラインから分岐して3列ラインになる。ほとんどの荷重がかかるAラインのトップは、四角形状で4本に分かれている。Bラインは、前後に分岐して2.5列ラインを形作っている。荷重の分散と安定に貢献する仕組みだ。
前縁と後縁に配置されたナイロンバテンと複雑なラインフォーステープは、グライダーの剛性を高める役割をしている。ピーク3は最新のパラグライダー構造様式を持っていると言っていいだろう。 ピーク3の前縁はRAMAIR(ラムエアー)と呼ばれる特徴的な形状である。前に突き出たリーディングエッジとエアインテークに段差がついているというもので、これにより30km/sものスピード差を可能にした。
ピーク3には、そのハンドリングのレスポンスと安定感のバランスの良さを評価する声が多い。直感的でストレスがなく、ハンドリングの楽しさを与えてくれる。デザイナーのオリビエ・ネフによるハンドリングは、リフトのコアをサーチし、渋いコンデションでのサバイバルに大きなアドバンテージになるだろう。
降下手段とメンテナンス
降下手段は、B3ラインをビッグイヤーのように行う。Bストールは、フルストールになってしまうので降下手段としては使えない。あらかじめ必要なマヌーバーは習得しておこう。
ラインのメンテナンスは、コンペ機並の頻度になってしまうだろう。ラインの少なさは抗力の軽減というメリットを与えてくれる一方、AラインとBラインの荷重のかかり方に差ができ、ラインの伸縮を招く。購入から24か月か、または100時間のフライトタイムのどちらかになったらグライダー検査を受けて欲しい。
サマリー
ピーク3は、コンペ機譲りのパフォーマンスを与えてくれるばかりではなく、トータルにフライトする喜びを感じさせてくれるグライダーだ。これが、コンペシーンで戦い続けるニビュークからの、混迷するEN-Dクラスへの回答なのだと思う。進化は続くのだ。
(REPORT: REPORT: Atsushi UENO)
SPEC INFORMATION
サイズ | 21 | 23 | 25 | 27 |
セル数 | 69 | 69 | 69 | 69 |
翼面積(投影)㎡ | 17.75 | 19.43 | 21.12 | 22.81 |
翼面積(実測)㎡ | 21 | 23 | 25 | 27 |
翼幅(投影)m | 9.28 | 9.71 | 10.14 | 10.53 |
翼幅(実測)m | 11.68 | 12.22 | 12.75 | 13.25 |
アスペクト比(投影) | 4.86 | 4.86 | 4.86 | 4.86 |
アスペクト比(実測) | 6.5 | 6.5 | 6.5 | 6.5 |
機体重量 kg | 5.3 | 5.5 | 5.7 | 5.85 |
飛行重量 kg | 70-85 | 80-97 | 90-110 | 105-125 |
安全規格(EN) | D | D | D | D |
価格(税込) | ¥567,000 | ¥567,000 | ¥567,000 | ¥567,000 |
[製造元]NIVIUK/スペイン
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]http://www.airheart.jp/