
NIVIUK
KOYOT
コヨーテ、吼える!
KOYOTは、NIVIUK社が提案する新しいLTF1クラスのグライダーだ。LTF1クラスとしては斬新なビックアーチを採用。初ソロフライト向けとしてはもちろん、サーマルソアリングまで十分にこなせるポテンシャルを持ち合わせたオールラウンドなグライダーに仕上っている。
ファーストインプレッション
スペインのニビューク社が今夏発表したLTF1機は、その名も「コヨーテ」。このクラスのグライダーが吼えて良いのか? 軽い疑問を抱きつつ、早速届いた機体をチェックした。
ポルシェスポーツ社のNEWSKYTEXの軽量生地を使用し、機体重量は26サイズで5.2?と軽量。ビックアーチのため、実測のアスペクト比は4.9と、このクラスとしては非常に高い数値となっている。 ディテールにこだわった造り込みがされており、ブレークハンドルはマグネットで脱着でき、また捻れ防止にスイベルがついている。翼端にはゴミ出し口が。エアインテークとリブにテープで縁取りが施されているという凝りようだ。
ライズアップ特性は非常に優しい。軽量生地とショートラインの組み合わせによって実現された、実に軽いライズアップ特性だ。また安定性のバランスが良いため、緊張しがちな初心者のテイクオフをも助けてくれるだろう。軽く前に荷重をかけると、優れたピッチ安定性でスムーズに加速し、空中にきれいにテイクオフできた。
ダイナミックなフライトも可能!
フライト中のブレークプレッシャーは、初心者にも分かりやすい、実に適度な重さだと感じられた。ローリングを試してみると、ストローク、レスポンスともに適度で癖がなく、素直なハンドリングを実感できた。
飛行時の直線安定性も、初級モデルらしい申し分ない仕上がり。リラックスしてフライトを楽しむことができる。滑空比、スピードについては、初心者クラスでも扱える程度に仕上げられている。ブレークプレッシャーを感じながら旋回してみると、ビックアーチのため翼端が視界に入ってきた。ここまでは、安定性を重視した初級モデルらしい印象に変わりはない。
続いて、小さいサーマルでソアリングをしてみる。ところが無意識に体重移動を深く入れると、コヨーテは予想外に反応良く旋回を始め、深めのバンク角でも沈下せずに、小気味良くセンタリングし、上昇していくではないか! 初級モデルにコヨーテとは、ワイルドな名前をつけるものだなあと感じていたが、なるほど、ここで吠えるのか! 初心者のうちはブレーク操作での安定したハンドリングでオーバーコントロールを防ぎ、上達するにつれて、体重移動とのコンビネーションにより繊細でダイナミックなグライダーコントロールが可能になるのだ。
初級モデルの正しい進化
コヨーテのデザインの特徴は、初級機らしからぬビックアーチにあると言える。直進性や旋回時の沈下率の向上など、ビッグアーチによるメリットを生かしながら、機体重量の増加、ライズアップ特性の難しさなどのデメリットを感じさせない仕上がりを実現したところに、コヨーテの凄さがある。コヨーテは、新興メーカーとして成長を続けるNIVIUK社が新しく提案する、ファーストソロフライトからフリーフライトまでカバーするグライダーなのだ。
(REPORT: Atsushi UENO)
SPEC INFORMATION
サイズ | 22 | 24 | 26 | 28 | 31 |
セル数 | 37 | 37 | 37 | 37 | 37 |
翼面積(実測)㎡ | 21.5 | 24 | 26 | 28 | 31 |
翼面積(投影)㎡ | 18.31 | 20.41 | 22.58 | 23.76 | 26.27 |
翼幅(実測)m | 10.26 | 10.84 | 11.27 | 11.71 | 12.32 |
翼幅(投影)m | 8.1 | 8.54 | 9.13 | 9.2 | 9.66 |
アスペクト比(実測) | 4.9 | 4.9 | 4.9 | 4.9 | 4.9 |
アスペクト比(投影) | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.7 |
飛行重量 kg | 45-65 | 60-80 | 75-95 | 90-115 | 100-135 |
安全規格(LTF/EN) | (1/B) | 1/B | 1/B | 1/B | (1/B) |
価格(税込) | ¥446,250 | ¥446,250 | ¥446,250 | ¥446,250 | ¥446,250 |
[製造元]NIVIUK/スペイン
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]http://www.airheart.jp/