
NIVIUK
HOOK3
完全なるストレスフリー、
だから空で自由になれる!
ニビュークから新しく発表されたHOOK 3は、非常に幅広い層のパイロットに満足を与えてくれるグライダーだ。パフォーマンスが向上しているのは当然のことながら、それ以上に快適さ、安全性、安心感が増しているという点において、HOOK 3は間違いなくEN-Bクラス最高レベルに達していると言えるだろう。
ハードなコンディションでマイルドに飛べる!
テストフライトを行なった日は、パワフルな風のコンデション。だがスティッキーなサーマルでも、ウエイトシフトを使ってエイッとコントロールするとクリッと素早くグライダーが旋回してくれる。そしてフック3のサーチ機能は、サーマルのコアの方へと旋回していく。まるでオートクルージング機能がついているのかと思わせる楽々センタリング。スポーティなハンドリングとリラックスしたハンドリングの状況に合わせたハイブリッド化、という感じだ。
続いて沖へとグライド。まずはハーフ、さらにフルアクセルまで踏み込んでみたが、いたってスムーズだ。アクセル使用時でも安定しているので、ハーフアクセルまでを多用するとサーマル間の移動を効率的に行える。
コアがはっきりしない弱いサーマルでも、フック3のサーチ機能を使い、徐々にリフトのコアへと寄せて行く。この辺のフィードバックの感覚が秀逸で、フライトに集中することができる。
ビッグイヤーも試してみる。フック3は、ビッグイヤープーリーシステムを採用している。A3ラインのラピッドリングを外側から下向きに引くと、翼端がスムーズに折れる。確かに軽い。折った状態を維持するのも負担にならない。
上級クラスからのフィードバック
フック3は、スペック、パフォーマンスは進化しているのだが、全体な印象は非常にマイルド。これを可能にしているのが、軽量化と翼の効率化だ。3ライザー4ラインというラインプランで、CラインからトップラインだけDラインが出ている。マイルドな挙動なのでこれで十分だと感じた。
このラインプランにより、ライン長が短縮されている。フック2で294mだったものがフック3では227mまで短くなり、22.8%もの減少である。軽量化と有害抗力への貢献は大きい。ユーザーとしては、ラインチェックがより楽になった。
前縁の形状は、兄貴分のアーティック3やアイスピーク6の最新の前縁部分の研究開発により、フック3はその恩恵を受けてより洗練された。前縁下面にはベクトルバンドが採用され、最適な形状へ変化する。後縁にはハーフリブが採用され、後縁の形状を保ち、気流の乱れを最小限にとどめている。
フック3の最大の魅力とは
フック3の最大の進化は、パフォーマンスの進化に伴うコントロールの難しさが軽減したことなのではないかと感じる。
EN-Bというクラスは、ユーザーの層がもっとも厚く、その要求の幅も広い。パフォーマンスとパッシブセーフティ(受動的安全性)という相反する要素が期待される。
パフォーマンスを活かしたスポーティなフライト。ステップアップや、穏やかにソアリングをしたいリラックスフライト。多目的な要求に応えてくれるフック3の引き出しの多さが、このグライダーの魅力だと感じられた。
(REPORT: Atsushi UENO)
SPEC INFORMATION
サイズ | 21 | 23 | 25 | 27 | 29 |
セル数 | 52 | 52 | 52 | 52 | 52 |
翼面積(投影)㎡ | 17.85 | 19.55 | 21.25 | 22.95 | 24.65 |
翼面積(実測)㎡ | 21 | 23 | 25 | 27 | 29 |
翼幅(投影)m | 10.65 | 11.15 | 11.62 | 12.08 | 12.51 |
翼幅(実測)m | 10.65 | 11.15 | 11.62 | 12.08 | 12.51 |
アスペクト比(投影) | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
アスペクト比(実測) | 5.4 | 5.4 | 5.4 | 5.4 | 5.4 |
飛行重量 kg | 50-70 | 65-85 | 80-100 | 95-115 | 110-130 |
機体重量 kg | ― | ― | 4.9 | ― | ― |
コード(max/min) | 2.47/0.49 | 2.58/0.52 | 2.69/0.54 | 2.8/0.56 | 2.9/0.58 |
ライン高 m | 6.5 | 6.8 | 7.09 | 7.36 | 7.63 |
安全規格(LTF/EN) | (B) | (B) | B | (B) | (B) |
[製造元]NIVIUK/スペイン
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]http://www.airheart.jp/