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HOOK2

いかなるコンディションでも雲底へ！
磨かれた感性を備えた翼

EN-Bクラスのグライダーには、
安全性はもちろんのこと、滑空比もまた強く求められる。
そこでこのクラスのグライダーのデザインには、
翼の剛性の強化が重要な要素となっている。
前作から5年の歳月を経てリリースされたHOOK2は、
これらを見事なバランスで完成させた！

最大の変化は翼剛性の向上と軽量化

フックから5年の歳月を経てリリースされたフック2は、その高いクライミング性能に加え、気流変化に程よく反応し、パイロットにその変化を伝える感性を磨かれ、完成された。
フック2では、SLEシステム（Structured Leading Edge）が取り入れられている。これは、前縁のリブにプラスチック製のバーを縫い込み、リブおよびAラインの付け根の構造を強化するもの。このSLEシステムにより、もっとも荷重がかかる前縁とAラインの構造を強化するだけでなく、これまで補強のためにリブに縫い込んでいたマイラーの量を減らすことができ、軽量化、そしてマイラーの劣化の影響が軽減されたことで耐久性の向上も期待できる。他社のパラグライダーでもこのSLEシステムは採用されており、評価の高さがうかがえる。
前作フックの時から、ポルシェマリーンのSKYTEXの軽量生地、ショートラインによるライズアップ特性は評価を受けていた。そこにSLEシステムによってインテークの形状が保たれるという要素が加わり、軽いバランスの良いライズアップ特性が実現されている。

感性が磨かれたソアリング特性

まず感じたのは「きびきびとした印象」。気流の変化にもしっかりと反応してくれるのだ。前作フックとスペックを比較してみると、アーチの比率を示すFlatteningは13％から15%へと増えている。また翼面荷重は、フックの3.3kg／m² に対し、フック2は3.6kg／m² と、9.6％増加。速度増加、操作性向上の意図を読み取ることができる。なお、トータルライン長は337mから294mと約13%減っている。抵抗の少ないクリーンなをグライダー形作っているのだ。
フック2は、このクラスのパイロットが求めること、すなわちソアリングを楽しむために、グライダーの感性は敏感になったと感じられた。気流の変化を敏感に捉え、サーマルに近づいたことを教えてくれる。次のタイミングで、ピッチ方向に吸われるような感覚で、サーマルのコアを捉えたと教えてくれる。そこでブレークコードを引くと、切れ味良く旋回が始まる。
コアがはっきりしているサーマルでは、ブレーク操作の微調整を繰り返し、フック2の感性を頼りに上昇することができた。気温減率の悪い場所や、コアのはっきりしないサーマルではピッチコントロール意識し、上昇域では速度を遅く、下降域では速度を速めてフライトする。気流の変化はフック2が捉えるくれるので、それを頼りにすれば問題ない。
フック2のフライトの印象は、速度域、滑空性能、沈下率のパフォーマンスが上がったことはもちろん感じるが、それ以上に、気流の変化を教えてくれる感性が、フライトをより楽しくしてくれる、ということだった。フック2の進化は、今までのあなたのフライトスタイルをさらに広げてくれるだろう。
なお、翼面荷重は最近の傾向で重めの設定となっている。日本では渋いコンデションもあるため、体重レンジの半分から軽めのチョイスをお勧めしたい。

（REPORT: Atsushi UENO）