ギア・インプレッション


ARTIK5

NIVIUK

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クロスカントリーフライトに革命を起こす

アドベンチャーへの渇望がフライトにおけるさまざまな要素を探求し、パワフルな翼を生み出した
パフォーマンスと快適性を完璧に兼ね備えまさに新たなスタンダードと呼ぶにふさわしい完成度を成し遂げた

新しい翼に高まる期待!

今日のクロスカントリーフライトの目的地は、岩屋山エリアから40km北にある日本三景の天橋立。コンディションは、東寄りの風が弱めで1000m上空からは西寄りの風。サーマルは活発で、久しぶりの好条件だ。
テイクオフで早速キャノピーを広げてみた。軽量シリーズではないが、翼の重量は軽めに感じられた。広げてまず気が付いたのは、翼端がなんか違う。先端部分をバッサリと切り落としたような感じだ。よく見ると、スタビライザーが翼の端っこからついていない。ワンセルおまけのようについている。ラインはBの端っこのラインに取り付けてある。それと、翼端はクローズドインテークだ。リーディングエッジは、ピーク4のようなシャークノーズ。アッパーラインの取り付けは、今風な短いアッパーラインが2つカスケードされてラインの取り付け部のローディングポイントの間隔が広い。

直感的な操作が心地よい!

弱い風だが、リバースライズアップでキャノピーを見ながら上げてみた。軽いタッチで立ち上がってブレーキングで頭上安定するとハンドルに伝わるテンションがしっかりしていてキリっと止まった。そこから振り返り加速するとトンと足が地面を離れテイクオフした。こいつ、少しの加速でも浮きが良い特性があるから簡単に離陸してしまう奴だなと思った。
伝わるテンションは重めだがしっかりしている。直感的な操縦にレスポンスよく反応してくれて、ハンドルの重さは翼が捉える空気のような感覚で、引き込むと重さが感じられる。翼端の安定感が想像以上に良い。さらに攻めたセンタリングを試してみたが翼端が粘り強い。まだテイクオフしてソアリングし始めたばかりだが直感的に楽しい翼だと思った。

最初の試練は低高度からのリカバリー

岩屋山を離れ北上すると、たいした対流はなくただただ高度を失っていった。夜久野高原上空に到達したころには残り500m。まだワンチャンスある。通称1尾根の突端に到着したころには残300m。かなり厳しくなっていたが、わずかなサーマルにヒット。慎重にセンタリングを続けてみた。翼端の安定が良いのでアテ舵の少ない効率のいいセンタリングと、直感的な操作ができるハンドリング。ニビュークならではの浮きの良さに助けられ、この日最大の難所を切り抜けることができた。
クルージング中の安定感が良いことと、翼とパイロットの距離感的なバランスがいいので揺れてもロスが少ない。スピードバーを踏んでいるときは、Cライザーに付いているハンドルでライザーコントロールをする。結果的には目標地点に到達でき、最後の最後でひやひやしたが結果オーライだった。

ダイナミックで直感的なハンドリング

アーティック5の性能に助けられるように、目的の天橋立に到着した。翼の剛性感が高くアクセルを使った時も心地よい滑空を体験できた。何よりも直感的な操作に応えてくれるハンドリングが気に入った。アーティック4と比べるとやや重くなった感があるが、しっかり空気を捕まえてグリップしていく感じが心地よい。
安定感と飛行性能のバランスの良さ。この資質はクロスカントリーフライトへの期待感を高めてくれるに違いない。「新しいアーティック5は、クロスカントリーフライトに革命を起こす」というコピーが、決して大げさでないことを実感した。クロスカントリーフリークへのニビュークからのプレゼント、ぜひ乗って確かめて欲しい。

(REPORT:Shoichiro TADANO)

SPEC INFORMATION

サイズ 22242628
セル数 66666666
翼面積(投影)㎡ 18.8920.4322.3724.50
翼面積(展開)㎡ 22.2024.0026.3028.80
スパン(投影)m 9.599.9810.4310.92
スパン(展開)m 11.8312.3012.8713.47
アスペクト比(投影) 4.864.864.864.86
アスペクト比(展開) 6.36.36.36.3
飛行重量 kg 60-8075-9590-110105-120
機体重量 kg 4.304.705.005.30
安全規格(LTF/EN) CCCC
価格(税別) ¥570,000¥570,000¥570,000¥570,000

[製造元]NIVIUK/スペイン
[輸入・販売元](有)エアハートコーポレーション
[URL]http://www.airheart.jp/

2018年8月号掲載)