MAC PARA

EDEN3

コンペ機に匹敵するダイナミックなレスポンスと
運動性能を備えたスポーツグライダー

近年、マガス4によりワールドカップでの活躍目覚しいマックパラテクノロジー社。 2002年世界選手権においてチェコチームが初の表彰台に上がるなど、その存在と技術力が牽引役になっていることは間違いない。その技術力をサンデーパイロット達のマーケットへフィードバックしたモデルこそエデン3だ。その動き、そしてペネトレーション。まさに“ミニマガス”だ。

エデン3のコンセプト

ヨーロッパマーケットで、特にドイツ、オーストリア、スイスパイロット達に多く支持を受けるDHV1-2モデル。その幅広いDHV1-2マーケットにおいて、エデン3は、まさしくアッパーモデルに存在する。テイクオフと同時に体感する速度感と強すぎる旋回性は、試乗する誰もが驚きを感じるはずだ。
エデンに込められたコンセプトは、ズバリ「性能の凝縮」。マーケットに存在する多くのライバル達の中にあって、最高の安全性と滑空性能を翼に持たせることを念頭に開発されてきた。それは同クラスのモデルに比べ、高い旋回性と絶対的な速度感を翼に凝縮することにより達成され、エデン3と共に空を舞う者すべてに驚きと感動を与えている。

ライズアップ

キャノピーの重量がアベレージで5.7kgと軽さを感じさせるエデン3は、ポルシェマリンの6.6ナイロンを採用。大きさを感じさせないキャノピーは、立ち上げに力を要することはない。軽く素直過ぎる立ち上がりは、クラストップレベルある。
しかし、その軽さと速さゆえに抑えには注意が必要だ。滑空時の速度も相まって、頭上にそびえる翼は常に走り出そうと前方を伺う傾向があるところは、DHV1-2とは言え、侮ることはできない。キャノピーの形状形成を確認したら、早めで深めの抑えが必要となるだろう。頭上安定にあまり時間を費やそうとせず、走り出す翼に合わせるようにゆっくりと抑えるブレークコードを解放し、速やかに離陸へと移行する方が良い。

滑空速度と旋回

頭上安定時の不安定感に反する直進安定性は、エデン2に比べアーチ設計に手を加えてある分、さらに優れたものとなっている。そして離陸と同時に誰もが感じるであろうその速度感はDHV1−2クラスの枠を超え、DHV2クラス同等、もしくはそれ以上の風を感じるはずだ。
そしてエデンらしさを表現する上で、その滑空速度と共に伝えなければならないのが、小気味良い旋回性と過剰とも言える翼のレスポンスだ。少し高めのニュートラルポジションから一度翼へと旋回の指示を伝えれば、その指示は驚く程大きなバンクへと変換される。この繊細さを要するダイナミックなレスポンスと運動性は、まさにコンペ機に類似したものだ。

推奨したいパイロット

走る、曲がる、そして止まるといった基本性能に、過剰とも思わせるレスポンスと運動を見せるエデン3。中級者やサンデーパイロットを対象としたDHV1-2という枠にあるとは言え、あまりにもその性能は強すぎるかもしれない。そのあたりを踏まえればこそ「ミニマガス」と言うに相応しく、初級機からの乗り換えには難しいモデルだ。できることならば同クラスやアッパークラスからの乗り換えにお薦めしたい。また、DHV1からの乗り換えに際しては、十分な経験と両手操作でのグライダーコントロールが必要だろう。
上昇傾向のチェコメイド、そして勢いの止まらないマックパラテクノロジーのエデン3。是非、真のスポーツパイロットに試してほしい翼だ。

（REPORT／TEZ SATO）