
GIN GLIDERS
TRIBE
ハードなコンディションでこそ実力を発揮!
軽いタッチのクラスCグライダー
9月のフランス・サンチレールで開催されたイカロスカップで、GINフリーク待望のスポーツグライダーはベールを脱いだ。斬新なエアインテークの形状を持ち、さまざまなコンディションが期待できる、スイスで開発が進められたグライダーだ。
グライダーの特徴
グライダーを開くとW型の幅の狭いエアインテークが見えてくる。この細いエアインテークがどのような影響をフライトに及ぼすのか、興味深くグライダーに乗ってみた。
ファーストインプレッションは「軽いタッチ」の一言。6m/sの冷たい風が吹く中でのライズアップは通常ずっしりと重く、また頭上安定では強いシューティングを感じるのが通常だが、トライブは、テイクオフでの強風を強風と感じないような「軽いタッチ」のテイクオフ特性を持っているようだ。
空中に飛び出してアクティ操作(ブレークコードで気流の変化に伴う翼のピッチ方向の変化を安定させる操作)を行うと、ブレークコードプレッシャーはやわらかいにもかかわらず確かな出応えがある。実に扱いやすいグライダーという印象だ。
ハンドリングと高速性能
ロールインは滑らかで必要以上に深く入る感じはなく、バンクの維持は強風にもかかわらず風下に流されにくい特徴を感じた。バンクのかかり方はサーマルに乗っかっていくようで、その他のグライダー(1−2からコンペグライダーまで)と比較しても上昇効率の良さを感じることができた。
斜面ぎりぎりから発生する小さなサーマルにもしっかり反応し、サーマルを捕らえやすい。いったんセンタリングに入ってしまうと、私の上に被さって、他のパイロットを置き去りにし、一気にグループのトップに躍り出ることが度々だった。
最大8cmのアクセレーションシステムにはキックダウンシステムが装備されている。安定した気流の中でアクセルを踏んだときの加速感と、安定感は気持ちが良い。クラウドベース下での移動もハーフアクセルを使うと非常に効率が良い。リフト帯でのハーフアクセルは安心感もあり、思い切って使ってよい速度といえる。
フルストールやフラットスピンなどの失速系のマヌーバーでは、軽くてやわらかい手ごたえでブレークコードからの情報が大変わかりやすく、失速状態へ移行するのがはっきりと判断できる。実際の飛行中に万が一失速状態に陥りそうになっても、ブレークコードで感じたときに速度を回復させる操作(バンザイ)を行う余裕があり、めったなことはないだろう。
パフォーマンスとサマリー
最初のインプレッションは、長年GINに乗り続けている私にとってはびっくりするほど「軽いタッチ」のグライダーだった。しかし、様々なコンディションで乗り、特に厳しいコンディションの中で乗ると、やはりそこにはGINフリークたちが好む「GINタッチ」が継承されている。いざというときのブレークコードから感じ取れる安心感には、フライト中何よりも頼もしさを感じることができる。そして、内に秘められたパフォーマンスはコンディションが厳しくなればなるほど引き出しやすいものと感じた。
ぜひトライブを乗りこなし、憧れのクロスカントリー飛行に出かけてもらいたいものだ。
(REPORT: Kaoru Ogisawa)
SPEC INFORMATION
サイズ | XS | S | M | ML | L |
セル数 | 62 | 62 | 62 | 62 | 62 |
翼面積(投影)㎡ | 19.73 | 21.00 | 22.31 | 23.16 | 24.90 |
翼面積(実測)㎡ | 23 | 24.5 | 26.0 | 27.0 | 29.0 |
スパン(投影)m | 9.12 | 9.42 | 9.70 | 9.89 | 10.25 |
スパン(実測)m | 11.56 | 11.94 | 12.3 | 12.53 | 12.99 |
アスペクト比(投影) | 4.22 | 4.22 | 4.22 | 4.22 | 4.22 |
アスペクト比(実測) | 5.82 | 5.82 | 5.82 | 5.82 | 5.82 |
機体重量 kg | 5. | 5.7 | 6.0 | 6.2 | 6.5 |
飛行重量 kg | 60-75 | 70-85 | 80-100 | 90-110 | 105-130 |
安全規格(EN/LTF) | C/C | C/C | C/C | C/C | C/C |
価格(税込) | ¥472,500 | ¥472,500 | ¥472,500 | ¥472,500 | ¥472,500 |
[製造元]GIN GLIDERS/韓国
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/