
GIN GLIDERS
BOOMRANG X
画期的な翼、誕生!
2011年コンペティションシーンでハイパフォーマンスグライダーの安全性が問題となった。この問題を解決すべく、GIN GLIDERSがEN-Dクラスに投入したのが、まったく新しい発想の平面型を持つBoomerang Xである。
開発コンセプトと独特な平面型
ブーメランX(エックス)は、競技用に特化したハイスペックのグライダーとは違い、一般市販モデルの最高峰を狙ったモデルだ。 開発コンセプトは、センターコードを初級グライダーのように大きくすることで、翼のクラバットと潰れた後の急激なローテーションに陥ることを抑えること。その上でパフォーマンスを司る適度なアスペクトレシオを維持するために、トレーリングエッジに逆テーパーがかかった平面型が考案された。これは、ジングライダーズの新たなアイデンティティーとなる独創的なアイデアだ。実際飛んでみて翼を見上げてみると、翼の中央部はビギナーグライダーのように大きいが、は翼端にかけてシャープなカーブを描いている。
滑空性能と安定感の両立
テストフライトでのグループソアリング、そして激しいコンバージェンスラインでの高速グライディングからまず感じたのは、翼がほとんどシェイクしないことだ。翼中央部のプロファイルの厚みが翼の安定感を引き出している。渋いサーマルから強烈なコンディションまで、翼の持つポテンシャルを100%引き出せる安定感と扱いやすさが、なんといってもブーメランXの最大の特徴といえよう。まさに「画期的な翼の誕生」と感じた。
高速滑空性能は前作ブーメラン8譲り。しかもピッチ方向の安定性がすばらしく、多少乱れたコンバージェンスラインの中でもアクセルバーを踏み続けることができた。フルスピードでのグライディングも安定感があり、高速特性は文句のつけようがない。
ラインコンセプトとライザーシステム
Aラインはキャノピー付近で前後にカスケードが取ってあり、ブーメラン8などの2ライナーコンセプトを受け継いでいる。
Aライザーにはラピッドリングが3個あり、アクセレーションを行うと3本がプログレッシブに引かれていく。Bライザーにはラピッドリングが1個取り付けてあり、3本のBメインラインとスタビライザーが取り付けられている。そして、Bの中央部のラインには細工が施してあり、アクセルワークと共に少しずつBが引かれていく。このシステムにより、高速時の滑空比が格段に向上した。
メインラインにはラインの伸び率が安定しているリロス社のPPSL(被覆のあるもの)が加重の分散に応じたダイアメーターで使用されている。被覆のあるラインは安定感があり長持ちするので、一般的なEN-Dグライダーを2年から3年サイクルで乗り換えていくパイロットにとってはうれしいこだわりといえるだろう。
サマリー
容易なライズアップとテイクオフ、サーマルをサーチしながらの浮きの良い旋回、抜群のグライディング性能と安定感。パラグライダーの常識を覆すような安全性と高性能を持ち合わせた翼。それがブーメランXである。より高く、より遠くへ飛んでいきたいパイロットにとって、この上ないアイテムになるに違いない。
(REPORT: Kaoru OGISAWA)
SPEC INFORMATION
サイズ | S | M | L |
セル数 | 79 | 79 | 79 |
翼面積(投影)㎡ | 19.2 | 20.9 | 22.6 |
翼面積(実測)㎡ | 22.47 | 24.38 | 26.37 |
翼幅(投影)m | ― | ― | ― |
翼幅(実測)m | ― | ― | ― |
アスペクト比(投影) | 5.01 | 5.01 | 5.01 |
アスペクト比(実測) | 6.87 | 6.87 | 6.87 |
機体重量 kg | 5.5 | 5.8 | 6.1 |
飛行重量 kg | 90-100 | 100-110 | 110-125 |
安全規格(EN) | D | D | D |
価格(税込) | 価格未定 | 価格未定 | 価格未定 |
[製造元]GIN GLIDERS/韓国
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/