ギア・インプレッション

BOOMERANG6

GIN GLIDERS

BOOMERANG6

コンペティションシーンをリードする
高性能で、パイロットをひとつ上の次元へと導く翼

コンペティショングライダーとして、パイロットからの好評価を獲得してきたブーメランシリーズ。最新モデルであるブーメラン6にも、ジングライダーズの最新技術が惜しみなく投入されている。その実力を実際のフライトで検証してみよう。

翼の特徴

キャノピーをオープンすると、まずリーディングエッジの形状がリジットウイングのようにしっかり保たれているのに驚く。ブーメラン6では軽量のスクリームセールにリジフォイルの芯の素材を這わせることにより、軽さと剛性の両立に成功したようだ。
ジンオリジナルのリジフォイルも装備され、今までにないほどの美しいリーディングエッジを形成する。このリーディングエッジの美しさが、浮きの良さ、高速安定につながっていると思われる。
空中に飛び立つと、キャノピーはサーマルをどんどんサーチしていく。ゆっくりめのトリムスピードではあるものの、このサーマルに向かって進んでいく特性を持っていることが、ブーメラン6の最大の特徴と言えるだろう。

ハンドリングと高速性能

サーマルセンタリングはブーメラン6にまかせてしまおう。力でねじ伏せるようにサーマル内にとどまるセンタリング技術は、この翼には必要ない。
まずは良いサーマルを探すこと。サーマルの中では上昇率の変化をブーメラン6がサーチしてくれる。大きめの旋回で、強いところをサーチしながら徐々にコアに近づていくと、旋回半径も自然に小さくなっていく。そしてコアに入ってしまえば、それほどバンクはかかっていないにもかかわらず、非常に小さい旋回半径で旋回することが可能で、驚くほどの上昇率を示してくれるのだ。
ライザーシステムはもちろんABCの3列ライン。BとCライザーにエキストラライザーが組み込まれ、翼端の迎え角をコントロールするシンプルなコンストラクション。トリマーはABCが水平になるように設定するのがベストグライドになっているようだ。 Aライザーは2分の1、Bライザーは3分の1引かれるシステムで、フルスピードまでは3ステップ踏み込む必要がある。
40km/h前後のトリム速度から、ファーストステップで50km/hまで加速してみる。とても安定感があり、グライドアングルはほとんど変わった感じがしない。セカンドステップを踏み切ると、今度は60km/hまで加速。顔には風の抵抗を一気に感じるが、リジフォイルの効果なのか、リーディングエッジの変形は最小限だ。翼が振動することもなく、まっすぐに、しっかり飛んでくれる。
Aラインの張り具合を確かめてみると、緩むことなくしっかりと加重がかかっており、リーディングエッジが潰れる気配は全く感じられない。すばらしいの一言だ。今までのグライダーとは次元の違う速度感を味わうことができる。
新しいセンタリングテクニックに、ずば抜けた高速滑空性能とその安定性。翼の剛性と、サーマルをサーチしていくグライディング特性。それらのすべてが新しい、リアルなニュージェネレーションウイング「ブーメラン6」は、パイロットを異次元空間へ導いてくれることだろう。

(REPORT:Kaoru Ogisawa)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S SM M ML L
翼面積(投影) 18.19 19.38 20.19 21.03 21.88 22.75
翼面積(実測) 21.68 23.10 24.08 25.07 26.08 27.12
スパン(投影) 9.83 10.15 10.36 10.57 10.78 10.99
スパン(実測) 12.69 13.10 13.38 13.65 13.92 14.19
アスペクト比(投影) 7.437.437.437.437.437.43
アスペクト比(実測) 5.315.315.315.315.315.31
機体重量 kg 7.0 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6
飛行重量 kg 80-95 90-100 95-105 100-110 105-115 113-125
EN(強度テスト) 926-1926-1926-1926-1926-1926-1
価格(税込) ¥577,500¥577,500¥577,500¥577,500¥577,500¥577,500

[製造元]GIN GLIDERS/韓国
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]http://www.aerotact.co.jp/

(2009年4月号掲載)