GIN GLIDERS

BONANZA2

XCフライトのために生まれた

抜群の上昇性能を持ち
いかなるスピードでも高いパフォーマンスを発揮し
乱気流や向かい風の中でも優れた安定性を示す
名機ボナンザの名を継ぐ新世代クロカンマシーン、
それがボナンザ2だ。

ボナンザ降臨！

1998年に登場したボナンザは、デザイナーのジン・セクソンにとってお気に入りのグライダーだ。20年の時を経て、その名を冠しボナンザ2として復活させた。ジングライダーズにとってどれほどの存在なのか...ネーミングからも並々ならぬ自信の現れを感じることができる。ボナンザ2の投映アスペクトは6.44で高めのアスペクトだ。ちなみに先代のボナンザは5.58で、同年にリリースされた初代ブーメランが6.24だった。この間の進化を改めて感じさせてくれる。

大きな期待を込めて

キャノピーはCクラスながらアスペクト比が実測で6.44と高くセル数は71と多い。立ち上げてみるとアスペクト比を感じさせないスムーズな特性で、美しいシェイプからしっかりしたテンションを感じられた。ハンドリングはダイレクトで操作しやすい。栂池のゲレンデをグランドハンドリングしながら登って飛んでみると、滑空性能の良さを実感した。

フライトインプレッション

装備重量は最大の105kgに設定、重めだが渋いコンディションで試してみたかったからだ。サーマルはもうないかなと思う時間帯だったので、半場あきらめ半分でテイクオフする。テイクオフして南側にまだ成長過程の積雲があったので、トライしてみると弱いが上昇成分を感じることができた。
早速センタリングを開始。トグルから伝わってくる感覚は繊細でシャープなフィーリングだ。切れ味のよいターンでしばらくセンタリングを続けていると、思いのほか上昇が良いことに気が付いた。性能の良さだけではなく、キャノピーがサーマルのあるほうへ導いてくれるような感じだ。
高度が稼げたところで、次にハイバンクターンでサーマルのコアを攻める。バンクを深くするために、体重移動も多めにしてブレークを引き込んでいく。スッとイメージ通りにハイバンクターンに移行していき、スムーズなハンドリングが心地よい！

快適なアクセレーターシステム

ライディング性能もチェック。アクセルを踏み込んでみる。スムーズで前に前に伸びていくような加速感がある。これは新採用のライザーシステムによるもので、Aライザー〜Bライザー〜Cライザーの外側のラインと連動して引き込むことで自然な加速が体感できる。まさに滑るような加速感が心地よい。アクセレーターを踏み込んでいる間は、Cライザーで操縦する。Cライザーを引き込むとBライザーにも作用されるのでオートマチックにニュートラル状態に戻る構造になっている。
フルアクセルからハーフアクセルに戻しライザーコントロールを試してみる。キャノピーはEPT（イコライズドプレッシャーシステム）と3セルブロック毎にレイアウトされたクロスビームにより内部構造を最適化することで、どの速度域でも高い剛性と安定性を示す。
コントロールはライザーだけでもダイレクトに行え、トランジット中は快適なクルージングを楽しむことができた。スピードバーを最大限に活用したフライトは、ボナンザ2の大きなアドバンテージになるだろう。
ピッチングは安定感のあるものだった。サーチ（翼が前にいくところ）は強くなり過ぎず、ゆったり動く。次にビッグイヤーをした。潰れる量はほどよく、翼端がバタバタしないのでいい感じだ。アクセルと併用すると十分な沈下を得られた。

まとめ

クロスカントリーを楽しむというコンセプトのボナンザ2。あらゆる速度で高い安定性を持っているので、クロスカントリーだけでなく、エリア内でのアウトアンドリターンやコンペテションでも活躍できそうだ。さらなる高みを目指すパイロットに是非おすすめしたい。

（REPORT：Shoichiro TADANO）