GIN GLIDERS

BOLERO PLUS

まさしくファーストグライダーの最高峰

ボレロプラスは、発売以来4年間インストラクターの支持を得続けてきたボレロの後継機。開発には2年をかけ、様々なテストを繰り返し、クラス最高のパフォーマンスとセキュリティーを備えた、全く新しい翼として誕生した。まさしくジンこだわりのファーストグライダーだ。

芸術的なプロファイル

パラグライダーに使用されるプロファイルでは、リーディングエッジカーブの裁断と縫製がもっとも難しく、また重要視されている。ボレロプラスにはリーディングエッジカーブを最大限に生かす最新コンピューターウエアーの使用により、新しいプロファイルがデザインされた。また風洞実験により、プロファイルの性能と安全性が理論的に解析された。
このプロファイルをグライダーに組み込むことで、よりスムーズな整流効果が得られ、飛行の安定感、パフォーマンスの向上、安全性の保持をプラスできたのだ。
ボレロプラスでは、リーディングエッジに新素材のマイラーを施すことにより、インフレーションの際の確実な空気の取入れを実現した。
キャノピーは風の強弱に関わらず一定のリズムで頭上までライズアップする。様々なコンディションでの確実なテイクオフが可能となったのである。

新しいラインレイアウト

ボレロプラスでは、ラインレイアウトに3本のメインラインを採用した。ライン全体の長さが短くなることで、グライダーの軽量化と滑空性能の向上が実現したのである。
加えて、新しく計算しなおされたブレークラインレイアウトが、キャノピーにさらに正確な操作感覚を与えた。思いのままのバンクをキープする旋回技術は、ボレロプラスで修得して欲しい。この操作性をマスターすることで、次のグライダーへのステップアップは確実なものとなる。
そして、特筆すべきは16Gという驚異的な引っ張り強度。これはグライダーバランスの良さの証明でもある。引っ張り強度テスト中は、キャノピーがバランス良く車上に保たれていないと、どこかに過剰なGがかかってしまい、グライダーの一部が破損されてしまうのだ。

バランスの良さが醸し出す安心感

サーマルソアリングを行なうと、ボレロプラスはその真価を発揮する。グライダーを乗りこなすために少しばかりの技術を要する、気温減率の良いサーマルが強めの日でも、ボレロプラスはその旋回性とバランスの良さで、自動的にサーマルを乗り切ることができる。ピッチ方向のバランスの良さは、旋回中でもピッチの変化に俊敏に対応し、無駄なピッチアップを起こさない。また、ロール方向のバランスの良さは、旋回中のバンクコントロールを自動的に行ない、安定した旋回を続けるのだ。さらにヨー方向のバランスの良さは、上昇率の良いところへ自然にグライダーを導いてくれる。
グライダーそのもののバランスの良さで獲得した、揺れの少ない安定した飛行特性は、第一に安心感につながる。またサーマルの中でも驚くほどの上昇率を得ることができるのである。
ジングライダーズの世界的イメージは、常勝コンペ機ブーメランに代表される「安定感＋ハイパフォーマンス」。ボレロプラスは、ファーストグライダーながらこのイメージを継承する、クラスを超えた存在感を感じ取れるグライダーである。

（REPORT/Kaoru OHGISAWA）