ギア・インプレッション

BOLERO7

GIN GLIDERS

BOLERO7

安心のボレロシリーズが
さらなる進化を遂げた!

1999年に生まれたボレロシリーズは
ファーストグライダーのベンチマークとして
多くのパイロットを大空に誘ってきた。
2022年、安心安全を更に磨き上げたボレロ7が誕生した!

予備知識なしのテストフライト

 ジングライダーズ定番のエントリーグライダーボレロシリーズがアップデートされた。デザイナーのジンがボレロシリーズの求める理想像は、初めて高高度フライトを行うスクール生が安全に怖がらずに上達でき、さらに熟練パイロットがストレスなくサーマルソアリングを楽しめるという欲張ったものだ。彼のこだわりはテストパイロット泣かせで、ボレロ1からボレロプラスへの開発に3年以上の年月を費やしたことを思い出す。
 今回は届いたばかりのボレロ7をテイクオフで開封し、メーカーからのインフォメーションは搭載重量のみというなかでの、ピュアなレポートをお届けする。ボレロ6からどのパートがアップデートされたのかが気になるところだ。
 セル数は同様の片側18セルの36セル。横方向3ラインコンセプトで、ダイアゴナルリブはカスケードとカスケードの間に均等に5か所組み込まれている。上面のエアフォイルに沿ってプラスチックロッドが組み込まれているのは、初級機としては初めての取り組みだ。パフォーマンス機では一般的な手法だが、それがどんな効果をもたらすか興味深い。
 メインラインの素材はダイニマーの被膜あり(LirosのPPSL)を使用、細く取り扱い易すいので、ライン抵抗がこれまでよりも削減されているだろう。ライザーは20?の硬めのウエビングを採用、細すぎず太すぎず、ねじれが少なく扱いやすい。グリップを取り付けるマグネットは、大きくなりラインチェック時に外れることもなさそうだ。
 ボレロ5からエントリーグライダーにも搭載されたEPTエアフォイル(シャークノーズのように少し前縁部にギャップのあるエアフォイル)は、翼の内圧を均一化する効果があり、乱気流に遭遇した時に感じることがある底板を踏み外したような「フッ」と抜けるような動きがなくなり安定感と安心感を醸し出してくれる。もちろんボレロ7でも継承されているが、アップデートされた効果にも期待したいところだ。

ファーストエアボーン

 テイクオフで一番大切なことは頭上安定だ。ボレロ7でのファーストライズアップは感触が良く、頭上安定では完璧に揚力を感じられる期待通りの特性だ。
 空中で翼を見上げると、リーディングエッジのカーブとストレートなトレーリングエッジが特徴的だ。ファーストターンはどんくさい感じで上級者には少し物足りない印象だったが、揺れが起こりにくい旋回特性は初心者には嬉しい。
 ところが、いったんサーマルの中で旋回に入ってしまえば、バンクコントロールはオートマチック。バンクがかかり過ぎることもなく、小気味良い旋回半径の小さいターンが可能。サーマルセンターリング時のブレークポジションは、ブレークコードグリップについているスイベル位置をカラビナの上部まで引くのがマックス。この位置からマイナス10?の範囲でコントロールしよう。
 次にバンザイでサーマルの中を突っ切ってみる。これは翼の特性を判断する最適な方法だが、ボレロ7はピッチ・ロール・ヨー方向に"適度"に不安定なおかげで、気流の変化に程よく反応してくれる。この"適度"が重要で、結果、揺れが巧みにコントロールされた飛びとなり超好感が持てる。
 セカンドフライトではBクラス機と同じガーグルで飛んでみたが、ボレロ7はBクラスのグライダーを簡単に追い越し、あっという間にクラウドベースに到達した。旋回性の良さと上昇性能の良さは、これまでにない高いレベルを実現していることに驚いた。
 後日ジンから届いたインフォメーションをチェックすると、新しいプランフォームが旋回性の良さを引き出しているとある。急旋回に入らない特性でスパイラルダイブに入りづらいにもかかわらず、サーマルの中では半径の小さい上昇効率の良い旋回が可能とのこと。テストフライトでスパイラルに入れようとしたが、なかなか入らなかったことを思い出した。

マニューバー

 サーマルコンディションが良く高度が取れたので、上昇帯の中でリアルなマニューバー特性をチェックした。サイドコラップスはAクラスの優等生。適度なローテーションで、90度で回復する。フロントコラップスも潰れすぎることなく、穏やかな回復特性を示した。リアルなコンディションで潰れそうなときでも、粘りすぎないことで小さい潰で収まるに違いない。
 Bストールは教科書通りの方法で程よい沈下率が得られ、安定感もある。フルストールは翼端が先に失速するが翼中央部が飛び続けようとするので、失速させるのが難しいぐらいだ。この特性から考察すると、失速したと感じてからバンザイしても決して遅くはなく、安全にリカバリーできるはずだ。しかもリカバリーの際に生ずるシューティング特性は、ボレロシリーズの中で最も穏やかで、ここにも感動した。

サマリー

 パラグライダーを始めた方が愛したボレロシリーズが1998年に設立したジングライダーズを世界のトップブランドに押し上げたと言ってよいだろう。そのボレロシリーズのベーシックなコンセプトを継承し、さらに進化を遂げて完成した翼がボレロ7だ。
 試乗で感じたサーマルの中で示す抜群の上昇性能、センターリング時の安心感の高いバンクコントロール性、理想的なマニューバー特性など、ぜひボレロ7の操縦感覚を体験してもらいたい。特にインストラクターには強くお勧めしたい。
 これからパラグライダーを始める方は、ファーストグライダーとしてボレロ7をチョイスして欲しい。生涯スポーツとしてパラグライダーを続けて行くためにも、パラグライダーライフの最良のパートナーになるに違いない。

(REPORT:Kaoru OGISAWA)

SPEC INFORMATION

サイズ XXS XS S M L
セル数 36 36 36 36 36
翼面積(投影)㎡ 18.826 20.529 22.233 24.32 26.952
翼面積(展開)㎡ 22.1 24.1 26.1 28.55 31.64
スパン(投影)m 8.17 8.532 8.879 9.286 9.776
スパン(展開)m 10.267 10.772 11.158 11.67 12.285
アスペクト比(投影) 3.546 3.5463.5463.5463.546
アスペクト比(展開) 4.77 4.774.774.774.77
機体重量 kg 4.3 4.5 4.75 5.1 5.55
飛行重量 kg 55-80 65-90 75-100 85-110 100-130
安全規格(EN/LTF) A A A A A
価格(税込) ¥418,000 ¥418,000 ¥418,000 ¥418,000 ¥418,000

[製造元]GIN GLIDERS/韓国
[輸入・販売元](有)アエロタクト
[URL]https://www.aerotact.co.jp

2022年春号掲載)