GIN GLIDERS

BOLERO3

より易しく、よりわかりやすく、より滑らかに！
進化を続ける傑作初級機

素直な挙動から、「最も教えやすい翼」として世界各国のインストラクター達の指導を成功へと導いたボレロシリーズ。ボレロ3はEN／DHVの新しい安全規定を難なくクリアー。EASY（容易）、PROGRESSIVE（滑らか）、PREDICTABLE（わかりやすい）を実現し、最も信頼できる翼として更なる進化を遂げている。

キールシステムの採用

ライズアップ時にライザーを握った手からは、キャノピーの動きが大変わかりやすく、情報として伝わってくる。この感覚は初心者にとってもEASY（容易）と感じられるだろう。また、引き始めから頭上安定まで翼の上がり方はPROGRESSIVE（滑らか）で、最小の力で最短距離を上がってくれる感じがする。全体的に前のモデルのボレロプラスと比較すると、スタートがイージーで、初心者にも余裕を与えてくれ、ストレスのない感じがした。
さて、前作から具体的に変わっているのは、初級機のネックであったピッチ方向の強すぎる自立安定を、「キールシステム」の採用で解消した点。向かい風での直線飛行時、気流の乱れているところを通過するときなどに、その効果を感じ取ることができた。
従来の初級機と平行して谷渡りを行い比較フライトをしてみたところ、向かい風で気流の悪いところを通過する際、ボレロ3はブレークコードを解放したトリムスピードで自動的ピッチコントロールが働き、翼の動きが波打つことなく通過でき、高度を保ったまま、しかもスピーディーに目的地に到達することができた。これは、今までの初級機の常識を塗り替える画期的なことだろう。

フィギュア・サーマルソアリング

ピッチング、ローリング、フィギュア８などの基本項目は、教科書通りの方法で行うことができる。ということは、ピッチ方向、ロール方向、ヨー方向の安定性が程よくバランスが取れている証明と言える。左右のライザーから伸びる、機体中央部のラインを見上げると、その行き先はキールの最下点で閉じている。このラインの取り方は、体重移動のかかりすぎを抑制する効果があるようだ。旋回時に必要以上に体重移動をしても、このラインのおかげで翼のひずみが抑えられ、沈下率の少ない正しい旋回を自動的に行えた。
また、翼を左右非対称に潰したとき、体重を残った翼側に保つことが容易で、直線飛行の維持から翼の回復までを誤操作なく行うことができた。初級機としての安定性と容易さが、さらに向上したと感じた。
キール効果のせいか、サーマルにヒットしたときの翼のノーズアップは最小限に抑えられているようだ。ノーズアップが少ないので、サーマルに程よく食い込んでいくキャノピーの特性と、ウエイトシフトの制御がうまく働き、効率の良いサーマルセンタリングが自動的に行える感じだった。
強烈なコンディションでフライトしてみたが、ロールイン、ロールアウトはスムーズで、センタリング技術にはあまり気を使う必要がない。その分一番大切な周囲に注意を払うことに集中でき、安全に素早くサーマルトップに達することができた。　容易な操作性でありながらこれだけの飛行ができるのは、冒頭で述べたコンセプトを実現している事に他ならない。進化したボレロの血統は、フライトの楽しさをストレスなくパイロットに教えてくれるはずだ。

（REPORT/Kaoru OHGISAWA）