DUDEK

SNAKE XX

驚くべき旋回性！
XCもスラロームもこなす高性能機

ポーランドのデューデック社よりSnake XXが発売された。今年は創立20周年を迎えたデューデック社。XXの意味するところは「X」1個で10年、つまり同社20周年を記念するものだ。5月に入荷したSNAKE XXを、種子島ツアーで早速テストフライトしてみた。

進化したXX

すでにリリースされていたスネークは第1回スラローム世界選手権を獲得しているが、スネークXXはさらなる進化を遂げてしまったようだ。
シャークノーズとハーフバテンが入ってリーディングエッジを固めている。小さなエアインテークに最初は驚かされるが、無風でのライズアップ、、コントロール性ともによりクイックになった。特に高速飛行への加速感はスネークを超えるものがある。また、広い範囲のアタックアングルで硬いリーディングエッジを実現していて、高速飛行での燃費を向上している。
ライザーは4本ライザーでPAシステム付き。PAとはパワーアタックシステムで、アクセルとトリム最大速度範囲までを瞬時に可変できるシステムだ。つまり最低速度から最大速度までをアクセルシステムだけでコントロール可能とする。

ものすごい高速性能！

まあウンチクはこれくらいにして、実際飛んでみた感想を。まずライズアップはものすごく軽い、無風でもクロスハンドができる。当然、キャノピーはどんどん進んで行き、ブレークコードで止めなければ足が追い付かない。そっとAライザーを引くと、ゆっくり上がるので、ソフトに扱えば良いのかもしれない。危なく滑走路の端の草むらに刺さりそうになりながら、加速してブレークコードを引き離陸した。
しかし、飛んだらすごかった！
低速トリムで42km/h、最大速度は65km/h。それでもアクセルはマックスまで使えていなかったが、スペック表の数字は正確だった。
さらに、サーマルコンデションなのに、最大速度を維持して飛行できる安定性がある。ほとんどのサーマルコンデションでクロスカントリー飛行時に最大速度を使えるので、1時間も飛ぶと30kmくらいのアウトアンドリターンはいつでもできる。100km飛ぶなら1時間半でおつりがもらえそうだ。
低速飛行でサーマルソアリングをしてみる。コントロールラインは2Dシステムで2系統に分かれている。メインのブレークコードを中心に引いて、フラップ効果でソアリングする。驚いたことに、12.94?しかないのに、滑空比が良い。特に上昇風に入ると意外と低速が効いている。つまりフラップを下げてリジットウイングのハングがソアリングするのと同じ感覚なのだ。

PAシステム、その効果！

次にPAシステムを稼働してみる。すでにスネークで使っているシステムなのでだいぶ慣れたつもりだったが、スネークXXでは加速性が向上しているので、低い高度ではかなり慣れてから使用しないと加速時に驚かされる。特に低高度ではエキスパートになってから行う必要がある。敏感なグライダーに仕上がったので、パイロットの指先でコントロールできてしまう。
まあパイロット次第でスラロームを楽しんだり、クロスカントリーに使ったりと、使用範囲はまた広がってしまった感じのグライダーだ。
デューデック社のグライダーはポーランドで一貫生産しており、生産管理が行き届いているので生産ミスがほとんどない。社長のデューデック氏も現役のコンペティターなので、設計からテストパイロットまでできる。2年前に訪問した際、これが同社の原動力なのだと感じたのであった。

（REPORT: Ryoya IGARASHI）